今季のウインタースポーツを総括

競技によって明暗くっきりトリノ五輪への期待と不安

2005.04.07 THU

世界選手権は惨敗続きだったスキーも、最後のフリースタイルではモーグルの上村愛子が銅メダルを獲得。スケートも最後のフィギュアスケートではメダルを逃したとはいえ、前回の女王・荒川静香が闘争心を取り戻し、安藤美姫も4回転ジャンプ挑戦へ新たな意欲を取り戻してトリノ五輪への夢をつなげた。

アテネ五輪の日本勢の活躍と比較すればどこか寂しいプレシーズンだった冬季競技だが、その中でも最も期待を持たせたのがスピードスケート500mだった。世界距離別選手権の男子では、20歳の加藤条治がウォザースプーンと清水宏保の2強を抑えて完勝。天才と評されるコーナーの滑りの上手さが、世界でもトップクラスであることを証明した。そのうえ、今季はスケート靴の選択に悩んで不調だった清水も、最後の大会には合わせてきて2位に入り、底力の確かさを見せた。

一方、女子もメダルこそ逃したが、20歳の吉井小百合が4位、33歳のベテラン岡崎朋美が5位入賞。ともに「屋外リンクでは力負けしたが、室内リンクなら勝負はできる」と自信を見せた。さらに、アテネ五輪の自転車競技出場で出遅れた大菅小百合も来季は復調するはず。男女とも複数のメダルを狙える位置にいることは確かだ。

これに対して不安を見せたのはジャンプ勢だった。技術的には紙一重の差でも、世界選手権では勢いに乗れずに惨敗。各選手とも空中で前に突っ込み過ぎるという日本人特有の悪い癖が出ていた。19歳の伊東大貴がその後のW杯で復調していたのが救いだが、30代のベテランが主力では先がない。ヨーロッパのジャンプ台のほとんどが追い風の悪条件で試合が行われる。それに対応するためにも、ジュニアのころから気象の条件が悪い中でしっかり踏み切って飛び出すことを体に叩き込む抜本的な強化が必要だ。各競技ともトリノまでではなく、世界の流れを的確に見据えた上での、トリノ後までを意識する強化策を持って五輪に臨んでこそ先があるのだ。

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