4月29日に柔道・全日本選手権が開催

“柔よく剛を制す”なるか?小兵・内柴が無差別級に挑戦

2005.04.27 WED

正直に言えば、今でも怖いですよ。無茶だなというのは自分でもわかっているんで…」

口ではそう言うが、内柴の表情には期待感があふれていた。66kg級の彼が、体重無差別で競う全日本選手権でどんな戦いができるのかと、ワクワクしているような。

毎年4月29日に日本武道館で行われる全日本選手権は、柔道に打ち込む日本選手にとっては特別な大会だ。体重や体格は関係なく真の強さだけを競い合い、たったひとりだけの“日本で一番強い”柔道家を決める大会に他ならないからだ。

60kg級五輪3連覇の野村はこう言った。「技術やスピードでは重量級には負けていない自負がある。でも体格や体重になると、どうしようもない部分があるんです」

90年には、当時71kg級だった古賀稔彦が“柔よく剛を制す”を実践する戦いで準優勝をしている。だが、天才と評された彼でさえ、日本一にはなれなかった。重量級の選手にしてみれば、60kg台の選手には負けられないというプライドもある。倍以上の体重差があれば、ちょっとしたことでも重大な怪我につながる可能性もある。だが内柴は「柔道をやってれば怪我はつきものだから、もし全日本で怪我をしてもそれは自分の運命だと受け入れますから」と、平然とした口調で言う。

60kg級時代は、強くなるためのトレーニングをしながらも、体重を抑えなくてはいけないという相反するジレンマに苦しんでいた。だが66kg級に上げて以来「強くなるためのトレーニングを思う存分できる」と明るい笑顔を見せるようになった。内柴にとってみれば、全日本挑戦もそんな解放感の延長で芽生えてきたものに違いない。

「柔道で心を鍛えるというなら、多少は無茶なことでも挑戦してみることも必要だと思うんです。それがこれからの柔道人生のための何かのダシになればいいから」

60kg台の選手の出場は77年の南喜陽以来28年ぶり。内柴はその挑戦に、勝ち負け以上の価値を求めているのだ。

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