トリノ五輪、日本勢不振の理由

くやしいのは僕らだけじゃない

2006.02.23 THU


プラジェラートの風は、やはり日本には味方しなかった。2月18日のラージヒル個人戦の1本目、3mを越える左斜め後ろからの風で、葛西紀明は120mまで飛距離を伸ばすのがやっと。伊東大貴にいたっては「お手上げです。踏み切ったとたんにたたき落とされる風で」と、あきれ顔で言うような状態だった。

少し風が弱まった2本目、他国の選手も苦労するなか、葛西が128.5mを飛んで13位まで順位を上げ、動きにキレを取り戻した岡部孝信も128.5mで1本目の8位を確保した。だがトップ2人は、不利な風にもかかわらず140mジャンプ。次元の違いを見せつけられる結果となった。

競技初日の女子モーグルこそ上村愛子が5位になり、大会前の状態から考えればまずまずという成績を残した。だがスノーボード男子ハーフパイプは、全員予選落ちという予想外の惨敗。その悪い流れが金メダル最有力候補の加藤条治に襲いかかる。レース直前に他国のコーチと接触してスケートのブレード(刃)を傷つけるアクシデント。そして、前の組の転倒による氷の補修で6分間の競技中断。1本目のレースを迎えて緊張している彼の気持ちを、さらに動揺させる事態が続き、滑りを狂わせた。複数個のメダルを期待させたスピードスケートは、男女500mで及川 佑と岡崎朋美が4位になって戦える位置にいることを証明したが、他の個人種目は進化する世界との力の差だけを感じさせられる結果となった。

各国の選手が年間を通して氷上での技術習得に励んでいるのに対し、日本にはその環境がない。長野五輪前と違い、各競技団体とも資金不足で強化は進んでいない。だが98年長野五輪の幻影に頼るだけの団体は、自力で資金調達をする努力も怠っているような状態だ。それでは世界と戦えなくなって当然。その最たる例が長野五輪時のソリしか使えないボブスレーである。

頼みは女子フィギュアスケートか。ゼロになった貯金を再び増やしていくためにも、感動的な戦いを見せてほしい。

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