“ヤキュウ”がベースボールを超えた日

WBC初代王者“王JAPAN”が示した野球国際化への新たな一歩

2006.03.30 THU


16の国と地域が参加して行われた第1回ワールド・ベースボール・クラシック。現役メジャーリーガーのスター選手で固め、優勝候補と見られていたアメリカやドミニカ共和国がベスト8で姿を消す波乱をよそに、栄えある初代王者に上りつめたのは我らが王ジャパンだった。その勝因は、すべての選手がチームの勝利にこだわり、自分たちのプレースタイルを守り抜いたことにある。

アメリカの選手がケガを恐れて全力プレーができなかったとの説もあるなか、イチロー選手は「ケガをしようと関係ない。何があってもやってやる気持ちだった」という強烈なリーダーシップで、ナインをけん引。4番の松中信彦選手は、本塁打は0本ながら大会最多の13安打、11得点とチーム打撃に徹した。星を落とした3試合もすべて1点差と、投手陣はだれ一人ゲームを壊すことなく、その粘投が失点率でアメリカを上回り準決勝進出を呼び込んだ。アメリカのメディアが“ベースボールよりヤキュウが最高”と称えたように、走攻守を駆使した全員野球が、高い個人技やパワーにも優ることを世界に伝える戦いぶりだった。

さらに、今回の日本の優勝を受け、MLB側は09年3月に実施予定の第2回大会では、日本を準決勝以降の開催地として検討していく姿勢を示した。 日本が中心となって、WBC組織委員会を立ち上げる動きもあるという。MLB機構と同選手会の主催により、異例の球数制限や登板日制限、独断による組み合わせ、自国の審判員の多用など、アメリカ寄りのシステムやルールが横行した今大会。WBCを今後、より公正な真の国際大会として受け継いでいくためにも、浮き彫りとなったさまざまな改善点に対して、日本は毅然とした態度で意見すべき立場と使命を得たことになる。

そして先週25日のパ・リーグに続き、明日31日からはセ・リーグのペナントレースが幕を開ける。我々ファンは、世界一の選手たちのプレーを間近に触れることができる幸福を改めて心に留めよう。

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