日本陸上界にまた逸材が出現

元フリーターの醍醐直幸が高跳び今季世界最高を記録!

2006.08.03 THU

昨年の世界9位に相当だが、世界陸上の優勝記録を1cmオーバー。そのうえ、その時点での今季世界1位タイ。7月2日の日本選手権男子走り高跳び13年ぶりの日本記録更新となった醍醐直幸(25歳)の2m33cmジャンプは、それほどの価値を持つものだった。昨年、自己新の2m27cmを跳んで世界陸上へ出場した彼は、この冬の室内競技会で2m28cmをクリア。日本選手権では「ここで日本新を出せばみんなに認めてもらえる」と、秘かに記録達成を狙っていた。
「2m30はこれまで2度挑戦してたし、いつも跳べる感覚はあったけど、33は本当にいい状態の時じゃないとダメだと思ってたから。スンナリいってビックリですよ」(醍醐)

2m24、27、30、33cmと上がったバーをクリアしたのはともに3回目。観客をハラハラさせたが、助走の調子が良すぎて踏み切りで詰まってしまったからだ。それを2回の跳躍でキッチリ修正しての記録達成は成長の証しともいえる。特に日本新達成はバーが微動だにしない完璧な跳躍だった。

「2m33は自分のなかでも、頑張ってギリギリで跳んだゾ、という感触ではなかったんです。これまでは35までしかイメージできてなかったけど、30台後半もいける、という気持ちになれたのが大きいですね」(同)

2m30cm台を安定して跳べるようになれば、世界大会のメダルも近づいてくる。そんな醍醐も、競技生活続行に危機があった。大学2年以降は故障で結果を出せず、03年の卒業時には就職口がなかった。2カ月ほどアルバイトをしながら競技を続けていたが、日本陸連の競技者支援制度の指定を受けるようになってひと息つき、記録を伸ばした今年からは富士通所属に。やっと競技のみに集中できる環境を得たのだ。
「支援制度がなかったらここまでやれなかった。今は、実業団でやれる感謝の気持ちを感じながら試合をできるのが強みです」(同)

技術で世界の壁をこじ開けようとする日本のトップ選手たち。醍醐も今、新たな挑戦者として名乗りを上げた。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト