森本の日本人最年少セリエA渡欧に注目

欧州リーグ06‐07シーズン開幕W杯後の日本人の市場価値は

2006.08.17 THU

W杯明けのシーズンは、選手にとって絶好の移籍のタイミングだ。4年前は中村俊輔がイタリアへ渡り、稲本潤一と中田英寿が同国内でクラブを変えた。戸田和幸もシーズン途中でイングランド移籍を果たした。それが、今夏の欧州進出は森本貴幸1人にとどまった。逆に中田は現役を引退し、大久保嘉人は古巣のC大阪に戻ってきた。今季も9人もの選手が欧州主要1部リーグでプレーするし、その人数は昨年より1人少ないだけなのに、なんとなく寂しい印象がある。

ドイツW杯をきっかけに、日本人の市場価値が上がらなかったのは事実だが、急落もしていない。日本国内では「代表クラスなら誰でも活躍できる」と思われがちだが、実際はそうではない。FWは競争率が激しいうえに短期で結果を求められ、GKやDFはコミュニケーション能力が必須となる。実力的には十分な選手でも、そうした障害が立ちはだかると移籍は成立しにくい。国籍というハンディもある。日本代表のFWを使うより、代表クラスではない自国の選手を使ったほうが納得するメディアやファンは、どの国でもいまなお支配的なのだ。

それだけに何でもできる万能型ではなく、一芸に秀でたスペシャリストに需要は集まる。いよいよチャンピオンズリーグの舞台に立つ中村俊輔は、言わずと知れた黄金の左足を持つ。リーグ開幕戦でもいきなり直接FKを決めた。フランスで3年目を迎える松井大輔はドリブルとパスセンスで異彩を放つ。北京五輪を目指すU‐21代表の中心となる平山相太は、大型選手の多いオランダでも見劣りしない長身ストライカーだ。

東京ヴェルディからセリエAのカターニャへ期限付きで移籍した森本は、将来的な成長を期待されてのイタリア行きだ。彼のようなケースは獲得するクラブのリスクが少ない。W杯で活躍した選手より費用は安いし、なじめなければ所属先に返せばいいからだ。アフリカ人選手のほとんどが10代で欧州へ渡るように、日本人の海外移籍も低年齢化が進むかもしれない。

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