“考えるサッカー”はどこまで浸透したのか?

オシムジャパン、4試合消化で見えてきたものとは?

2006.09.14 THU


8月9日の初陣から1カ月が経過し、新生日本代表の方向性が少しずつ明らかになってきた。

オシム監督は「考える」ことと「走る」ことの重要性を強調しているが、どちらもサッカーの(というよりもスポーツの)基本である。選りすぐりのタレントが揃う代表チームであえて基本を徹底するのは、日本人選手の特徴であるボールテクニックの高さと敏捷性をフルに引き出すためだ。しっかりとした土台を築いているといえる。

技術の高さを生かそうとするのは、ジーコ前監督も同じだった。オシムが言う「考える」ということも、ジーコのチームのキーワードだった「自由」に通ずるものがある。自由とはすなわち、自分で考えてプレーすることだからだ。

しかし、「考える力」はまだまだ物足りない。9月3日のサウジアラビア戦では、0‐1でリードされている終盤に自陣でボールを回し、オシム監督を「自己破壊だ」と嘆かせた。一方で、流れ作業のようにクロスを入れる場面も目についた。その精度も決して高いとはいえない。中村俊輔がいたら、松井大輔がいたらと思わせる場面は、一度や二度ではなかったのだ。

プレーの「軽さ」も気になった。所属クラブと同じプレーをするのは大切だが、Jリーグでは目立たないミスが、国際試合では致命傷になる。サウジアラビア戦の失点は、中盤でのちょっとしたパスミスがきっかけだった。イエメン戦でも、つまらないミスで戦況を苦しくしていた。重圧のかかる国際試合で所属クラブと同じレベルのプレーをする難しさを、若い選手たちはこの4試合で実感したことだろう。

ゲームキャプテンを務める川口能活は、「練習と試合を繰り返して、ときには意見の衝突もありながら成長していければ」と話す。今後に含みを持たせた若手の起用とはいえ、成長のスピードは早いほうがいい。フレッシュな顔ぶれがおなじみのメンバーになるには、何よりもまず選手の自覚が求められるのではないだろうか。

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