アメフトには20年前からあるけれど…

プロスポーツにビデオ判定が導入されるのは是か非か?

2006.10.26 THU



写真提供/Getty Images/AFLO
今年のスポーツ界では、ビミョーな判定が相次いだ。読売ジャイアンツと千葉ロッテマリーンズ戦で、イ・スンヨプ選手が打ったホームランが取り消されたことや阪神タイガースの矢野輝弘捕手が球審の判定に不服を申し立てて退場処分になったことは記憶に新しい。

こうしたミスジャッジを防ごうと、ビデオのリプレイ画像で判定を下すシステムの導入が議論されている。代表的な例に、アメリカンフットボールのNFLが導入したインスタント・リプレイというビデオ判定制度がある。審判の判定に異議がある場合、1試合3回までビデオ映像による再判定を要求することができる制度だ。また、国際テニス連盟は今年の全米オープンからビデオ判定を導入しているし、日本のプロ野球もホームランの判定に関して、来年のオープン戦からビデオ判定を試験導入するという。ここにきて、スポーツのビデオ判定に対する議論が活発になってきているようだが、なぜだろう。スポーツデザイン研究所の所長・上柿和生さんに聞いてみた。

「昔は誤審もプレーのうちである、というのがスポーツ界の文化だったんです。ところが、テレビで試合中継が始まり、ビデオが普及するにつれ、正確なジャッジを求める声が高まりました。スポーツが大きな影響力を持ち、メディア化・ビジネス化したことも背景にあるでしょうね」

特に昨今、HDDレコーダーによる録画の簡易化やネット上で動画が容易に見られるようになったのも一因としてあるだろう。

もともと、フィールド上において審判の判定は絶対だった。そこには人間のプレーには人間がジャッジするという機械を用いた判定を否定するスポーツの根源的思想があった。それに、サッカーのように試合の流れが重要なスポーツでは、リズムを狂わしかねないビデオ判定はゲームの面白さを損ねてしまう。もちろん誤審は避けなければいけないことだが、ビデオ判定にはスポーツの特性によって功罪があることは確か。今後の動向に注目したい。


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