「希望入団枠」は今秋より廃止に

裏金問題はなぜ起きたのか?ドラフト制度の変遷と今後

2007.05.10 THU



写真提供/時事通信
西武とアマ2選手間で行われていた不当な金銭授受が発覚してから約3週間後の3月28日。日本プロ野球組織は、今秋のドラフト会議から「希望入団枠」を撤廃することを発表した。

逆指名(93年~)、自由獲得枠(01年~)、希望入団枠(05年~)とマイナーチェンジをしながら継続されてきた、“大学・社会人のドラフト上位候補選手への球団選択の自由”。それが、戦力均衡と契約金高騰の抑制などを目的に65年に始まった、ドラフト会議の意義を損なう元凶であったと認めざるを得ない状況にさらされたからだ。

逆指名導入以降は、同制度が適用されない高校生にも大学や社会人に進めば3~4年後には希望球団に入れるという抜け道ができた(高卒の社会人選手は入部後3年間ドラフト対象外)。選手を選ぶ立場から、選ばれる立場へ――。意中の選手の獲得が困難な球団は、条件面で引きつけるという策に走った。紳士協定で定められた最高額1億円を超える多額の契約金や、アマ野球関係者への謝礼なども今回明らかになった。

「職業選択の自由」として希望入団枠は必要という考え方もあるが、一部の選手にだけ認めている点ではそれも不十分。また一般の学生に置き換えてみれば、どんなに優秀な人材であっても必ずしも第一志望の会社に入れるとは限らないわけで。ただし一般社会では、入社後に転職の自由はある。それに当たるのが、プロ野球では93年から導入されたFA権になる。かねがね選手会が求めてきた通り、希望入団枠撤廃→FA権取得年数(現在は9年)短縮が、差し当たってベストに近い改善案なのだと思う。

最後に、今回の一連の騒動はプロ側、アマ側、どちらが加害者でも被害者でもない。日本の野球界という一つの輪のなかで起きた連帯責任問題である。自分のところの選手や学校、球団、リーグさえ良ければいいという意識が払拭され、将来を見据えた野球界全体の発展につながる議論がなされていくことを、一野球ライターとして、一野球ファンとして切に願う。


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