相撲協会もマスコミも大騒ぎ!

相撲で「立会い変化」が問題視されるのはナゼ?

2007.05.10 THU



写真提供/時事通信
大相撲三月場所の千秋楽。久しぶりに優勝決定戦まで決着がもつれこみ、気合の入りまくった朝青龍と白鵬が土俵で激しいにらみ合い。誰もが歴史に残る名勝負を期待した瞬間…なんと白鵬が立会い変化!(0.3秒で白鵬の勝ち)まさかの幕引きに観客もテレビ視聴者もガックリとうなだれたのであった。

というように、周囲に微妙な後味の悪さを残した先場所の大一番。ちなみに「立会い変化」とは、相撲が始まってぶつかり合う瞬間に、ヒラリと左右にかわして相手を叩き込む戦法のことだ。一般的には“奇襲”と見られており、協会も場所後の会見でこの一番に対し、「力勝負を望むファンの期待を損ねた」と苦言を呈している。

だが、立会い変化はルール違反でもなんでもない。相撲は勝負事。地位も名誉も勝たなければ得られない。そういう意味では、これも立派な作戦だと思うのだが…?

「力士心理からすれば、変化は勇気のいる選択です。失敗すれば、一気に押し出されてしまいますから。これは一種の賭けのようなもので、普通は優勝の懸かった場面で試そうとは思いません。今回の件に関しては、僕は白鵬の勝負度胸を逆に評価したいくらいなんですよ」(元小結・舞の海さん)

「何がなんでも勝ちたかった」とは、白鵬の優勝コメント。相撲をスポーツと割り切り、勝負に徹すればこその発言だ。

「でも、それが相撲道のすべてではありません。強者には、根底に流れる伝統文化や精神を示すことも必要です。自らは決して変化せず、相手のどんな立会いにも動じなかった双葉山(昭和の大横綱)の潔さ。古くからの相撲ファンは、横綱や大関にそうした美学を期待しているんですよ」(同)

13日から始まる五月場所では、白鵬が綱取りに挑戦。もちろん、それに立ちはだかるのは朝青龍だ。「二度目の変化はありえない」と語る舞の海さんは、両者の次の立会いを心待ちにしている。我々も彼らがどんな心境で仕切りに向かうのか、じっくり観察したいものだ。


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