カナダGPで魅せた執念のオーバーテイク

アロンソをぶち抜き6位入賞!佐藤琢磨の戦う姿勢に学べ

2007.06.14 THU



Sutton Images/AFLO
月曜日の朝5時。普通なら熟睡している時間帯だが、この日ばかりは日本中のいたるところで歓声が上がったに違いない。カナダGP残り3周、スーパーアグリF1チームの佐藤琢磨が王者フェルナンド・アロンソを見事オーバーテイクした瞬間のことだ。抜かれたアロンソも最終シケイン手前のストレートで琢磨のマシンにプレッシャーを与えたが危険なブロックなどは一切なくフェアな戦いを貫いた。ここ数年のレースを振り返ってもベスト3に入る名バトルシーンだと断言できる。

これに反応したのがインターネット掲示板『2ちゃんねる』。レース終了直後から琢磨とスーパーアグリを称賛する書き込みが数千件も続き、いかに多くのF1ファンがこのレースに感動したのかがうかがえる。

というのも、今年F1には11チーム22台のマシンが参加しているが、フェラーリやマクラーレンなどを筆頭に6チームは自動車メーカーが資本参加するワークスチーム。一方、スーパーアグリはホンダの技術支援を受けているとはいえ、元F1ドライバーの鈴木亜久里代表が一昨年末に設立したプライベートチームだ。ワークスチームとプライベートチームの格差は驚くほど大きく、ワークスにはスタッフ数700人以上、年間予算350億円以上のチームが複数ある一方、スーパーアグリのスタッフ数と予算規模はその5分の1程度でしかない。もちろん、野球やサッカーの世界でも弱小と呼ばれるチームが活躍することもあるように、F1の世界もスタッフや予算がすべてではないが、約5倍の差となると戦いは必然的に厳しいものになる。

そうした厳しい現実があるからこそ、今回の6位入賞はフェラーリやマクラーレンが優勝する以上に価値があると皆が認める。ビジネスの世界でも予算や規模だけで勝負が決まるものではない。佐藤琢磨のレースを戦う姿勢にこそ、いまR25世代が学ぶべき点がきっとある。


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