柔道とJUDOの違いに日本が苦戦?

日本柔道を脅かす!?“死に体”の解釈

2007.10.25 THU



写真提供/ロイター/アフロ
9月に行われた世界柔道選手権。金メダルは無差別級の1個のみ。5位以内が獲得できる北京五輪出場枠も7階級中2階級でしか獲得できなかった日本男子勢。惨敗の流れは、大会初日100kg超級・井上康生と、100kg級・鈴木桂治の2回戦敗退から始まった。

勝負を分けたのはともに微妙な判定だった。特に鈴木の敗退は疑問も残った。浅いながらも大外刈りで相手を倒した鈴木の一本勝ちかと思えた。だが審判は、相手を倒した後にその体を飛び越えるように倒れ込んだ鈴木が、横捨て身技のひとつ“横分かれ”で一本取られたと判断したのだ。

「後ろへ下がる相手に大外刈りを掛けるのは桂治の得意技だから、国内の大会なら一本勝ちになっていますよ。でも今、世界はヨーロッパ主流の審判技術が浸透していて、その悪いところにポンとハマってしまった。見解の違いです」と、斉藤仁監督はいう。国内の判定では、技を仕掛けられた選手が“死に体”になれば、その技が認められるケースが多い。だがヨーロッパの審判に言わせれば、先に技を掛けたかどうかより、最後まで相手の体をコントロールしているか否かを重要視するというのだ。このへんが、いわゆる「柔道」と「JUDO」の違いといえる。

広辞苑によれば、“死に体”とは相撲用語で「力士の体勢が崩れて立ち直ることが不可能になった状態」だ。土俵に倒れれば負けになる相撲では、死に体になれば勝負は決する。だが柔道では自ら倒れ込んで相手を投げる、巴投げに代表されるような捨て身技があるだけに、判定は難しくなる。 

今回の敗因には、捨て身技を有効な技として積極的に判定するようになった世界的傾向への対応が遅れたこともある。だが、柔道は“一本”を取らない限り、試合は続行される。自分の技が決まったと思っても、そこで気を抜けば、相手の捨て身技の餌食になるのだ。まずは投げきること。そして最後まで戦いを続けることが、今まで以上に重要になってきた。


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