38年ぶり全日本選手権に登場

平成の世に武蔵が復活?剣道“二刀流”の真髄とは

2007.12.06 THU

11月に行われた第55回全日本剣道選手権大会に、2本の竹刀を両手に構えた“二刀流”の山名信行六段(徳島県代表)が出場し、1勝をあげた。二刀の剣士の全日本選手権出場は、実に38年ぶりのことだという。

二刀流といえばマンガ『バガボンド』でもおなじみの剣聖・宮本武蔵が有名だが、「剣道」ルールで二刀なんてアリ?と思ったら、実は普通にアリなのだ。しかし、現代では使い手がほとんどいないのだとか。二刀流の剣道を指導する「二天一流武蔵会」の佐々木博嗣氏に、その理由を尋ねてみた。

「戦前の剣道界では二刀の剣士が数多く活躍していましたが、二刀は守りに強いという特質から、学生剣道の団体戦で相手の強者を止める“引き分け役”が用いる戦法として流行してしまい、禁止になった過去があります。その後、GHQによる“武道禁止令”を経て、二刀の技を伝える指導者がほとんどいなくなってしまい、現代では、一般の剣道家には稽古すら難しい状態が続いています」

二刀と一刀の技の違いとは?

「竹刀を腕力で振っていては、一刀の速さに勝てません。二刀の剣士に重要なのは、身体のバランスを崩さずに腰を入れて竹刀を振る“体さばき”です。また、竹刀の重心をコントロールして軽く速く扱う“手の内”を稽古します。二刀は力でごまかせない分、より精密な身体の使い方が要求されますね」

使いこなせれば、一刀よりも圧倒的に有利な気もしますが…?

「現代の試合ルールでも、二刀は決して不利ではありません。しかし、二刀の使い手が極めて少ないために、審判側が二刀の判定に慣れておらず、打突の有効性を判断しきれないケースが多いのです。剣道界で二刀が復興するには、まず二刀の認知度を高めることが重要ですね。」

見た目にも派手な二刀はとにかく目立つ。大舞台で活躍する二刀剣士が増えれば、見る側にとっても面白そうだ。


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