トリノ五輪で苦い思いをした2人が復活

スピードスケート・男女の成長株がエースへ完全脱皮か

2008.01.10 THU



写真提供/築田純/アフロスポーツ
今や“冬季競技といえばフィギュアスケート”となっている感はある。だが、近年の冬季五輪で安定してメダルを獲得しているのはスピードスケート。トリノ五輪で1984年以来続いていた五輪での連続メダル獲得は途絶えただけに、復活しなければいけないお家芸だ。そのスピードスケートで今季、22歳の加藤条治と23歳の吉井小百合の同学年コンビが、充実したシーズンを迎えている。

2人はトリノでもメダルを期待されていた。しかし、500mの世界記録保持者として出場した加藤は、レース直前に他国のコーチと接触してスケートの刃のエッジを欠くアクシデントもあって6位。吉井はW杯の表彰台も経験しながらも、本番にピークを合わせられず9位と期待に応えられなかった。さらに昨季、加藤はW杯勝利ゼロ。吉井も滑りを崩し、表彰台は長野大会の1回だけでふた桁順位の方が多いという、不本意な結果でシーズンを終えていた。

だが加藤は、昨年の夏に単独でアメリカへ渡り、アメリカチームと5カ月間練習をともにして逞しさを身につけた。今季W杯開幕戦のソルトレーク大会で左足の付け根を痛めるアクシデントがありながらも、3戦目には復活して2位に。12月22日からの全日本スプリントも「技術がどうのこうのでなく、ダイナミックに滑ろうと思った」という500mは2日とも圧勝。苦手だった1000mもアメリカでの練習の成果を見せて初日は2位。各2回の合計で争う総合でも初優勝と、成長した条治をアピール。

一方、「去年までは男子選手に回転数を上げてついていこうとしていたが、大きな歩幅に合わせられる位置を見つけた」という吉井は、W杯開幕2戦の500mで4レース中3度表彰台に上がる好スタート。全日本スプリントも2年ぶり3度目の総合優勝を果たして復活をアピールした。

トリノ五輪では若手として期待された2人が、たのもしい中心選手に成長。急激に進化する世界に対して、日本チームも新しい戦闘態勢が出来上がった。


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