FIFAが異議を唱えた帰化問題

是非が問われ始めた?ブラジル人選手の帰化問題

2008.01.24 THU



写真提供/AFLO
世界のサッカー界が群がる禁断の果実に、FIFA(国際サッカー連盟)が異議を唱えた。昨年12月に行われた南アフリカW杯の抽選会に先立ち、ジョセフ・ブラッター会長が「ブラジル人選手の帰化に、ブレーキをかけなければならない」と警鐘を鳴らしたのだ。

即効性が見込めてハズレの少ないブラジル人選手のブランド力は、どこの国のリーグでも際立っている。この南米のサッカー王国から選手を輸入していないプロリーグは、たぶんひとつもないはずだ。

一方で、ブラジルほど代表に選ばれるのが難しい国はない。あの黄色いユニホームは、ほとんどのブラジル人選手にとって憧れで終わってしまう現状がある。自国の選手より活躍が見込めるブラジル人が目の前にいる。その選手は国際舞台での活躍を望んでいる。両者の利害は一致し、帰化という選択肢が選ばれるのだ。01年に日本への帰化を決意した当時、三都主アレサンドロはこう話している。

「00年のシドニー五輪にブラジル代表として出場したい気持ちがあった。でも、一度も呼ばれなかった。それでブラジル代表はこの先ないかなと思ったのは事実です」

日本の高校で学んだ三都主や、日本にルーツを持つ田中マルクス闘莉王らは、熟考の末に帰化という道を選んだ。それだけに、周囲の抵抗感も少ない。しかし現実には、短期間で国籍を変えてしまうブラジル人もいる。帰化を迫る国もある。ブラッターが神経を尖らせるのはそうしたケースだ。

「2014年のW杯では、出場国の(半分に当たる)16チームがブラジル人ばかりになってしまうかもしれない。このままではヨーロッパだけでなく、アジアやアフリカにもブラジル人が押し寄せてしまう」

ブラッターとは対照的に、国際世論はいまのところこの問題に寛容だ。だが、帰化選手の活躍でW杯予選を突破するような国が続出すれば、強豪・伝統国も声をあげるだろう。各地で予選が本格化する今秋以降に、議論が本格化するかも。


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