好タイム続出の陰に“仕事人”の存在

近年、国内でも“公認”されたマラソンのペースメーカーとは?

2008.03.19 WED



写真提供/AFLO
スタートからずっと先頭を走ってきたのに、30kmあたりで突然、先頭集団から消えてしまった。おいおい、あの選手はどうしちゃったんだ!? 2月17日の東京マラソンのテレビ中継を見て、そんなランナーに気づいた人も多いかもしれない。途中でレースをやめちゃったランナー、それこそが近年のマラソンレースには欠かすことができない仕事人「ペースメーカー」だ。

参加選手が牽制し合ってスローペースにならないように、主に30kmまでレースを作る。それが彼らのミッションだ。一定のペースでレースを先導することで、選手の負担を減らし、風よけにもなる。

福岡、東京、びわ湖の北京五輪の男子選考レースでは日本人選手が2時間7~9分台の好タイムを続出させたが、これもペースメーカーのアシストが大きかった。

関係者の間では「ラビット」と呼ばれ、10年以上も前から、マラソンレースを陰で支えてきた。日本のマラソン界では彼らの存在に触れることがタブーとされてきたが、アテネ五輪(04年)の男子選考レースからその存在を公認したため、お茶の間にも知られるようになったのだ。

ちなみに今回の東京マラソンは5人のペースメーカーが出走。このうち3人はフルマラソンで2時間8~9分台のタイムを持つ実力者だ。でも、なぜ選手として出場しないのか? それは体力消耗が激しいフルマラソンで賞金を稼ぐよりも、数をこなすことで確実にギャラを手にすることができるからである。海外ではペースメーカーとしての実績が認められると、1レースで2万ドル(約210万円)以上も稼ぐランナーもいるという。

ペースメーカーが定着したことで、レースの高速化に拍車がかかったことは事実。しかし、同時に30kmまでの選手間での駆け引きが減り、マラソンの醍醐味が失われたという意見もある。賛否両論のペースメーカーだが、彼らの存在がレースを大きく変えたことは間違いない。


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