意外な?世界クラスの日本企業

競泳の水着問題で話題の山本化学工業の秘密

2008.06.26 THU

日本競泳界を騒がせた英・スピード社の水着「レーザー・レーサー」(以下LR)の話題。結局、日本水連は着用許可を正式発表。判断は選手個人に委ねられることになった。

この話題で有名になった日本の企業がある。大阪の複合特殊素材メーカー・山本化学工業だ。同社がクローズアップされたのは、日本水連と契約していた国内3社がLRに匹敵する水着の開発を求められたことがきっかけ。3社がタイム向上につながる素材を持つ山本化学工業の水着素材の利用を検討したのだ。それにしても山本化学工業って会社、あまり聞いたことないけれど、そんなにスゴイ会社なの?

実は山本化学工業、ウエットスーツ素材で世界シェア約7割といわれる実力派。同社がウエットスーツ素材の開発を始めたのは、昭和30年代の終わりごろ。当時、日本に輸入品しかなかったウエットスーツが「固くて動きにくいのでなんとかしてほしい」とオーダーされたことが始まりだった。

「失敗してもいいから試してみようというのが社風でして、いろいろな素材を試した結果、一般的な石油ではなく、石灰岩をベースにしたラバーがよい、となったんです」(山本化学工業 執行役員・森本雅彦氏)

こうして完成したウエットスーツ素材「ヤマモト#45」は柔らかく動きやすいと大評判に。瞬く間に世界中に広がり、たとえばトライアスロン界では、現在、トップの選手のほとんどが、山本化学工業の素材を用いたウエットスーツを愛用しているという。

「今回の件は、もともと日本人選手がLRを使えないと聞き、それなら日本にもこういう素材もあって協力もできますよ、とリリースをしたことがきっかけ。純粋に日本人選手に勝ってほしいだけでした。だから、ここまで大きな話題になるとは」(同)

言い方を変えれば、LRを使えるなら、それならそれでいいのでは、ということ。なんて謙虚! 能ある鷹は爪を隠す、なんていいますが、意外なところに世界クラスの企業があるものなんですね。


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