北京五輪でちょっと気になった風景

厳しい規制が始まった!スポーツ界の帰化問題を探る

2008.10.02 THU



写真提供/ロイター/アフロ
北京五輪の卓球で、アジア系の顔立ちなのに、欧州やアフリカの国の代表としてプレーしている選手を多く目にしたのが気になった。その多くは中国から帰化した選手だという。国内の選手層が厚く、なかなか国際大会に出られない若手中国人選手が、国籍変更しているケースが増えているそうなのだ。

こういった現象は卓球に限ったことではない。昨年、サッカーでも選手層の厚いブラジル生まれの選手の安易な帰化増加が話題に。FIFAのブラッター会長の発言によると「我々は選手の帰化にブレーキをかける解決策をみつけださなければならない。注意しなければヨーロッパだけではなく、アジアやアフリカにもブラジル人が押し寄せてしまう」とのこと。また、陸上でも近年、ケニアなどアフリカの陸上レベルの高い国から中東諸国へ国籍変更する選手が増えているが、なかには次のようなケースも。

「中東諸国への帰化は、カタールが2006年のドーハ・アジア大会などに向けた国威発揚のために行ったのが増加のきっかけ。一生にわたる生活の保障を持ちかけたりした例もあって、なかには世界トップクラスの選手の帰化もありました」(『月刊陸上競技』編集局長・土谷公二氏)。

帰化問題で危惧されるのは国際大会の意義や盛り上がりが薄れること。確かに出場選手が特定の国出身者ばかりになると。それが現実化しつつあるのが冒頭の卓球。

「そこで国際卓球連盟は新たに厳しい規制を決定しました。帰化した国にふだんは全くいないため、その国の競技普及、レベル向上にも寄与していない選手がいたり、帰化した国の選手やコーチのモチベーションが落ちた例もあるので致し方ないでしょう」(『卓球王国』編集長・今野昇氏)

「個人の自由の尊重」やもともと移民が多く、帰化に寛大な国の存在など、複雑な事情が絡む帰化。なかには(従来からあった)本当にその国にとけ込んだうえでの帰化もあり、一概に批判はできない。要は「節度」の問題だが果たしてどうなる?


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト