新市場の開拓? ゲームレベルの向上?

Jリーグで来季から導入が決定「アジア枠」のメリットとは?

2008.10.09 THU



写真提供/北村大樹/アフロスポーツ
Jリーグが新たな展開に乗り出す。来季のリーグから現行の外国籍選手枠とは別に、アジアサッカー連盟(AFC)加盟国の選手を1人登録できる「アジア枠」の導入を決定したのだ。

Jリーグによると、(1)ゲームレベルの向上、(2)アジア地域における新たな事業的可能性の開拓、(3)アジア地域を対象とした国際交流・貢献の推進の3つが、導入の目的となっている。(1)のゲームレベルの向上は、AFCをリードする韓国やオーストラリアからの選手獲得を見込んでのものだろう。外国人の増加で各チーム内の競争意識が高まり、試合だけでなく選手個々のレベルアップを促す期待感はある。一方で、日本人選手の出場機会が減少する恐れがあり、選手の成長を阻害するという意見もある。

それでも導入へ踏み切ったのは、韓国や中国、中東諸国らも「アジア枠」の将来的な導入を検討しているからだ。Jリーグが旗振り役となって追随する国が現れれば、(3)の国際交流や貢献の推進役としての地位も確立できる。アジアにおける発言力も高まるだろう。さらに「アジア枠」を使った海外移籍が一般化すれば、日本人選手の受け皿が広がる。W杯予選やアジアチャンピオンズリーグを戦ううえでも、各国の状況を知っておくのはメリットが大きいはずだ。

(2)の事業的可能性の開拓も見逃せない。サッカーがメジャーな東南アジアが魅力的な市場だが、イングランドのプレミアシップが人気を誇るタイなどで、Jリーグの放映権などがどれほどの価値を持つのかは不透明だ。複数年契約を結ぶその国の選手が登場しなければ、放映権を複数年で売るのも難しい。Jリーグの国内放映権は年間で推定50億円といわれるが、単年で売るなら3億~5億円あたりが売り値になるだろうか。

外国人には給料以外に通訳、住居などの諸経費がかかるので、アジア枠をすぐに活用できるのは限られたチームかもしれない。カタール国籍を取得した04年J1得点王のエメルソンを浦和が呼び戻したりすれば、話題性十分のスタートとなるが。


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