球界を牽引し続けて半世紀

選手・監督でダブル世界一“世界の王”偉大なる野球人生

2008.10.23 THU



写真提供/時事通信社
野茂英雄、桑田真澄、清原和博─。今年のプロ野球界は偉大な野球人の引退が相次いだ。そのなかでも最も衝撃を与えたのは、選手として、監督として、50年間にわたり球界に多大な功績を残した王貞治氏の勇退だろう。

1980年、現役生活22年間で前人未到868本塁打の大記録を残し、王さんは現役を引退した。3年間の助監督を経て巨人の監督に就任するが、期待された成績は収められず5年で解任。95年に福岡ダイエーの監督に就くと、14年にわたって指揮を執ってきた。これは、巨人V9時代の川上哲治氏と並ぶ記録。選手、スタッフ、ファンと、誰からも慕われた王さんだからこそ、1球団でこれほど長く監督を続けることができたといえよう。就任当時は17年連続Bクラスに甘んじていたチームに、王さんは自らが身を持って経験してきた「勝つために努力することの大切さ」を植え付けていった。城島健司(マリナーズ)、井口資仁(フィリーズ)といったメジャーリーガーや松中信彦、小久保裕紀ら球界を代表する強打者を育て上げ、99年にダイエーを初の日本一に導き、常勝チームへと成長させた。 

そして06年、その手腕を買われて「第1回ワールドベースボールクラシック」の日本代表監督に就任。シーズン開幕前の大事な時期にチームを離れることに戸惑いはあったが、最後は「野球界のために」と意を決したという。イチローを中心に個性派揃いの選手たちも「監督を世界一にしたい」と結束。初代王者に輝いた。選手と監督、両方で世界一の称号を得た野球人は、そうはいない。改めて深甚なる敬意を表したい。

来季からは福岡ソフトバンクホークスの取締役会長に就任。グラウンドの外から野球界を支えていくそうだ。差し当たっては、来年3月に開催される「第2回ワールドベースボールクラシック」の特別顧問としての大役を務める。誰よりもプロ野球を愛し、ファンを大切にする王さんらしいリーダーシップで、再び多くの人々に野球の素晴らしさを伝えてほしいと思う。


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