休部相次ぐ実業団スポーツだけど…

キーワードは“地域との密着”企業スポーツの新たな試みとは?

2009.02.12 THU



写真提供/渡辺正和/アフロスポーツ
最近、景気悪化の影響で、企業スポーツの名門チームが競技から撤退、あるいは休部するケースが相次いでいる。モータースポーツではF1のホンダ、モトGPのカワサキがレース撤退を表明。アイスホッケーの西武、女子サッカーのTASAKIも休部を決めた。

もっとも、企業スポーツの退潮傾向自体は、1990年代より続いてきた。そう指摘するのは、企業スポーツ全般に詳しい、野村総合研究所の三崎冨査雄さんだ。

「日本の企業スポーツは80年代までに黄金時代を迎えます。そこでは社員の士気高揚や広告宣伝という狙いがありました。しかし90年代以降の長い不況期に、コストの高さや広告効果への疑問から撤退企業が続出。98~00年が撤退数のピークで、03年以降は減少傾向でしたが、ここに来て撤退する企業がまた増加しています」

そんな傾向のなか、従来とは異なる企業スポーツチームも登場している。たとえば、新日鉄バレーボール部を母体とする堺ブレイザーズ。地域密着型のチーム運営が功を奏し、多くのファンを獲得している。

「最近では同チームのように、地域の企業や住民が少しずつお金を出し合って支える形で、活力を生んでいるチームが増えています。サッカーの大分トリニータ、ヴァンフォーレ甲府なども好例です」(同)

三崎さんによると、近年、スポーツにかかわる目的を、より社会貢献へ重きを置く企業が増えているという。地域住民に根ざしたチーム作りは、そうした企業の目的意識とも合致。従来型ではない、地方企業による身の丈に合った活動、支援が増えているのも、そういった背景が影響しているだろう。

「文部科学省は現在、総合型地域スポーツクラブを推進しています。これは地域住民が実際にスポーツをすることを目的としていますが、トップチームとうまく連携できれば、プロとアマが共存する欧州型クラブチームのように発展するかもしれません」(同)

企業スポーツの新しい挑戦はすでに始まっている。


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