目指せ、2016年TOKYO!? 

第5回 オリンピックはなぜ4年に一度なの?

2009.02.19 THU

目指せ、2016年TOKYO!? 


写真提供/フォート・キシモト 古代オリンピック初期に行われていた競技は、「スタディオン走」と呼ばれていた「短距離走」のみで、開催も1日で終了していたそう。次第に競技数も増え、紀元前472年には5日間の大競技会に。写真はスタディオンのスタートライン

古代オリンピックからひもとくオリンピックが「4年に一度」のワケ



2016年のオリンピック開催地の候補として、東京が有力とされているのは周知の通り。ぜひとも自国での開催を実現してほしいものだけど、叶ったとしても次の次。つまり、7年も先のことなんです。7年後、つい自分の年齢を指折り数えてみるとブルーになってしまうほど、遠い未来のことのように思えてしまいます。もっと早く東京オリンピックが見たい! 7年も待てない! そもそもなぜ、オリンピックは4年に一度しか行われないの?

「古代オリンピックでは4年を単位とする周期をオリンピアードと呼び、4年に一度オリンピアードの祭典を催していました。現在のオリンピックの周期は、その古代オリンピックにならっているといわれています。なぜ『4年』かというと、それにはいくつかの説がありますが、古代ギリシア人が太陰暦と太陰歴の両方を使っていたからという説が有力といわれています。現在、一般的に使われている太陽暦の8年が、太陰暦の8年と3カ月にほぼ等しいことから、8年という周期は太陰暦と太陽暦を合わせるために古代ギリシア人にとって重要な意味がありました。そこで8年に1回祭典が開かれるようになり、その後、その半分の4年という周期に変化したようです」
と教えてくれたのは、古代オリンピックの歴史に詳しい筑波大学の真田久教授。また、オリンピックが開催されるごろになると、祭典を成功裏に終わらせるために、争いごとを解消しようという気持ちを多くの人が持ったため、4年という周期はギリシアの人々に「平和」をもたらす意味合いも併せ持っていたとか。なるほど、古代ギリシア人にとって「8」や「4」は、暮らしに密着した特別な数字だったのかもしれません。

オリンピックの起源は、遠~い昔の紀元前776年までさかのぼり、およそ1200年間古代オリンピックは続きますが、ギリシアがローマ帝国に支配されたことによって終焉を迎えることに。しかし、その後ピエール・ド・クーベルタン男爵によって、1896年に近代オリンピックとしてめでたく復活!

第1回アテネ大会から始まり、北京オリンピックで29回目を迎えた近代オリンピックですが、それまで大会が中止になったことってないの?

「実は過去に、2度の世界大戦で3回分の大会が中止になっています。中止になったのは、第一次世界大戦中の1914年、第二次世界大戦中の1940年、日中戦争中の1944年。しかも、1940年の開催予定国は東京でした。世界情勢など、やむを得ない事情で中止になった場合でも翌年への延期はナシ。しかし、大会の回数としては中止になった大会もカウントされます」(同)

う~む、中止の裏にはそんな歴史的背景が関係していたんですね。そう考えると、オリンピックの継続は「平和」の証といえるのかも。

2012年のロンドン五輪、2016年の東京五輪(になってほしい!)も、無事、開催されることを切に願う次第であります!
写真提供/フォート・キシモト 1900年に開催されたパリ大会では、なんと「魚釣り」がオリンピック競技に! 2日間の釣果の重量によって優勝者が決められていたそうな。同年には「凧上げ」や「鳩撃ち」も競技となっていた

時代とともに移り変わるオリンピック競技の歴史とは?



次回開催のロンドン五輪では、正式種目から外されてしまう野球やソフトボール。ぜひ2016年に東京オリンピックが実現したあかつきには、再び公式種目に認定されてほしいもの。と、同じ思いを抱く方々もきっと多いのでは?

このように、大会ごとに残念ながら姿を消してしまう競技もあれば、新たに日の目を見る競技も生まれるオリンピック。もしかしたら過去には、「こんなモノまで!?」と驚くような競技も、種目のひとつにエントリーされていたりして!?

そこで今回は、昔と今の競技種目の移り変わりを調べてみることに! まず、第1回のアテネ五輪ではどんな競技が行われていたのでしょう? オリンピックの歴史に詳しい、筑波大学の真田久教授にお聞きしました。

「実施された競技は、陸上、水泳、体操、レスリング、フェンシング、射撃、自転車、テニス、重量挙げの9競技43種目。なかでも、陸上競技のやり投げや円盤投げは、古代ギリシアの詩人・ホメロスの作品『イリアス』にその描写が描かれていることから、古代オリンピックから近代に引き継がれてきたものといわれています」

へぇ~! 陸上競技のなかでもマイナー(失礼)なイメージだった投げ系が、古来から伝わる歴史ある種目だったなんて! しかも、競技種目は今も行われているものばかり。では、過去にあって、今はもう種目から外れてしまった競技にはどんなものが?

「第2回からは綱引が正式種目になりましたが、ルールが難しいことや体重差などのトラブルから外されてしまいました。しかし今後、種目に復活する可能性が高いといわれています」(同)

また、 スポーツの祭典という印象が強いオリンピックですが、過去にはこんな意外な競技も!

「1912年のストックホルム大会から1948年のロンドン大会までは、『芸術競技』と呼ばれるものが存在していました。種目には、絵画、彫刻、音楽、文学、建築などがあり、その分野のスペシャリストが頂点を競い合うわけです。もちろん優勝者には金メダルの贈呈も。ただ、作品のサイズや規模の問題、客観的な基準で順位を決めるのが困難という理由から、廃止となってしまいました。しかし、その後は『文化プログラム』として、大会には必ず芸術や開催地の文化に関する展示が行われています」(同)

今も行われている競技でいえば、ポイント制度のなかに「芸術点」が設けられている「フィギュアスケート」などは、ある意味この芸術競技に近いといえるかもしれませんね。そのほか最近でいえば、フェンシングのルールもポイントを点灯させるように判定手段を変えたことで、一般的にわかりやすく、よりエキサイティングに改良されたのも記憶に新しいところ。

古きを残しつつも、古きに改良を重ねて魅力を維持しているんだな~と実感。こうして競技の歴史を追ってみると、しみじみと「オリンピックって奥が深い!」って思っちゃいますね。 今回、オリンピック種目について
あれこれ取材を重ねているなかで、
これまで注目していなかった、
ある伝統競技に大変興味を持ったんです。

それというのが、「近代五種」。

名前だけみても競技内容が伝わってこない
まったく「?」な種目なんですが、なんとこの競技、

「射撃・フェンシング・水泳・馬術・ランニング」

の5競技をこなし、順位を決めるという
トライアスロン並みの身体能力と
それ以上の集中力やテクニックが必要とされる、
過酷かつスパルタな内容なのです。

馬で敵陣に乗り込み、銃と剣で途中の敵を突き、
川を泳いで渡り、丘を越えて駆け抜けたという
19世紀ナポレオン時代のフランス騎兵の故事が元となっているそう。
なんてタフ&ワイルド! こんな男がそばにいたらきっと惚れちゃいます。

で、なにが言いたかったかっていうと、
花形競技の裏には、一見マイナーだけど
見応えある競技がたくさんあるということ。

そして数々の競技が回を重ねるごとに、
さらにパワーアップをしたり、新しい競技が加わったりと、
種目も絶えず新陳代謝が行われているんですね。

参加する選手だけじゃなく、
競技自体もひっそりと「成長」しているということに
取材する間に気づいたワタシ。

今後はこんな感じで、
これまでと違った角度から五輪を楽しめるような
小ネタ的なテーマに追っていく予定です。

引き続き、オリンピックにまつわる、素朴なギモンや不思議など
皆さんからの投稿もお待ちしてますよ!

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