平野美宇(8歳)が17歳に勝利!

なぜ卓球ばかりが年少者に有利なのか?

2009.02.26 THU



写真提供/YUTAKA/アフロスポーツ
今年1月の卓球全日本選手権女子ジュニアの部(高校2年生以下)で、8歳の平野美宇選手が17歳の選手に勝利。福原愛選手が持つ最年少出場、最年少勝利記録(10歳)を塗り替える快挙を達成したが、そもそも8歳が17歳に勝つこと自体、大きな驚きである。野球やサッカーなどではまず考えられない。しかも相手は素人ではなく、全国大会に出場してくる高校生だ。これは卓球だから起こりうることなのか? 月刊誌『卓球王国』編集長の今野昇さんに話をきいてみた。

「卓球は力ではなく、相手に対する反応などで勝負する競技です。反応という点では、8~10歳の小学生と高校生では、ほとんど差がありません。だから小学生が高校生に勝つ場合には、より速い反応、テンポの良さが決め手になってきます。福原愛選手の最年少勝利記録もそうでしたし、世界的にもそういった例は多く見受けられます」

さらに元卓球日本代表で指導歴も豊富な卓球解説者、川村公一さんは「ボールの回転量も影響している」と語る。

「ボールの回転量は、基本的に多いほど打ち返しにくい。そして回転量を増やすには、ある程度のパワーが必要です。一般的に男子の一流選手の場合、1秒間の平均回転量は60回~80回といわれていますが、女子は少しこの数字が落ちる。さらに同じ8歳と17歳なら、パワーの差が男子と比べて女子は少ない。つまり、女子は回転量の差が開きにくいのです。しかもトップクラスではない年上の選手なら。実際、年齢差を覆す勝利は女子の方が多いんですよ」

もうひとつ今野編集長は、卓球ならではの要因があると、付け加える。

「卓球は1対1でやるので、心理的な要因に大きく左右されます。今回負けた高校生も、相手は小学生で、しかもカメラや記者が数多く見守るなかでの試合ということで、『絶対に負けられない』という気持ちが強くなりすぎたのかもしれません」

小さな空間で行う卓球だが、奥深さは侮れないのだ。


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