目指せ、2016年TOKYO!? 

第7回 オリンピックの聖火ってそもそも何?

2009.03.19 THU

目指せ、2016年TOKYO!? 


写真提供/フォート・キシモト 今も国立競技場に残る東京五輪の聖火台。写真は東京五輪開催時の聖火台の様子を撮影したもの。鋳物職人の名匠・鈴木萬之助が製作を請け負ったが、湯入れ作業で失敗し、それが原因でショック死してしまう。その後、父の遺志を受け継いだ息子の文吾が完成させた

どうして聖火の灯火やリレーが始まったの?



2016年のオリンピックを東京に招致するため、実現に向けて国内では様々な動きが活発になってきました。最近では、民間の有志団体が「Yes! Japan」を立ち上げ、東京オリンピック開催に向けて、国民の関心、賛同を呼びかけるなどの活動を展開しています。

開催候補地の中で、一次選考では1位に選ばれた東京ですが、実現には国民のみなさんの応援がなんとしても必要なのです。ぜひ、東京に聖火を灯そうではありませんか! 

そう、オリンピックのシンボルといえば、この「聖火」。開会前から、「今どこに聖火が渡った」やら「日本の聖火ランナーが決定」など、聖火の話題が大々的に伝えられますが、なぜそこまで「火」が崇められているのか、ふと疑問。聖火ってどんな意味があるの? そのルーツについて聞いてみました。

「古代ギリシア人にとって火は神聖なものであり、古代オリンピックの開催中は神殿の祭壇に火を灯し、神を称えていたそうです。そして、1928年、アムステルダム大会のスタジアムに塔が設計され、そこに火を灯すアイデアが採用されたのがきっかけで、現在のような『聖火』が誕生しました。火は夏季、冬季ともに、大会の数ヶ月前に用意。古代オリンピックの地であるギリシャの『ヘラ神殿』の前で、太陽光線から金属製の凹面鏡で火をおこし、採火されています」(日本オリンピック委員会事業・広報部/秋葉将秀さん)
写真提供/フォート・キシモト 北京五輪のメーン会場に設置された聖火台、愛称「鳥の巣」はトーチと同様に「祥雲」(めでたい雲)がデザインされた
聖火はそんな古典的な方法で作られていたのですね。たしかにマッチやライターでかんたんに火をつけたのとは、ありがたみも違うはずです! しかし、なぜその聖火をリレーしようと思ったの? そんな回りくどいことをしなくても、直接会場に運べばいいと思うんですが。

「聖火リレーが始まったのは、1936年のベルリンオリンピックから。ベルリン大会組織委員会の事務総長だったカール・ディームが発案者で、リレーすることで古代と現代とをオリンピックの火で結ぶという思想が込められていたそうです。また、聖火リレーの儀式には、古代にも行われていた歴史的な意味、リレーを通じて国を超えて協力する教育的なメッセージ、芸術的なアピール、宗教的な神聖さの4つの意味があると述べられています」(同)

なるほど! そんな意味が込められていたのですね。また、聖火は船や飛行機、馬など、人以外の手段で運ばれることもあり、1976年には聖火を電子パルスに変換して、アテネから衛星を経由してカナダへ送り、レーザー光線で再点火されるなどの試みも話題になったそう。

2016年の聖火の最終地点は果たしてどこになるのか!? 平和の炎が東京の地に灯されるように、みなさんもぜひ、招致を応援していきましょう!
写真提供/フォート・キシモト 前走者の萩本欽一さんから吉田選手にバトンタッチ。トーチは中国Lenovoのデザインで、参加したリレー走者に記念にプレゼントされたそう

聖火ランナーになりたい!一般人でも聖火リレーに出場できるの?



オリンピックの象徴ともいえる「聖火リレー」。前回の北京大会では、星野仙一さんや萩本欽一さん、五輪出場選手では、北島康介さんに福原愛さんなど、数々のアスリートや有名人がランナーとして参加してましたよね。

北京大会の「聖火リレー」は、総距離13万7000km、130日間かけて行われ、距離・日数ともに過去最長記録となったそう。もし2016年に東京オリンピックが実現したら、ワタシも地元・東京で聖火を持って走ってみたい!

でも、聖火ランナーになるには、有名人や偉業を達した経験とかがないとムリなの?

「そんなことないですよ。現に、前回の北京五輪でもランナーの中に一般人の方もいらっしゃいました。前回は、日本オリンピック委員会が推薦するランナー(アスリートや有名人など)のほかに、一般公募を実施。走行ルートが長野市内だった関係で公募の条件は長野市民となりましたが、2016年に東京での開催が決定すれば、一般公募という形で聖火ランナーを募集する可能性は十分にあります」(日本オリンピック委員会事業・広報部/秋葉将秀さん)

まじっすか! それなら都民のワタシにも、聖火ランナーになれる希望があるというワケですね! ところで、聖火ランナーといえばバトン代わりに「火」を渡すわけですが、あの「火」の入れ物ってなんなのでしょう? 走ってる間に火が消えたりすることはないの?

「オリンピックトーチと呼ばれていて、雨や風に遭っても火が消えにくい構造になっています。もし火が消えたとしても、予備として別のランタンに聖火を用意してあるので、聖火が消えてしまうことはありません」(同)

なるほど、予備があったんですね。実際、過去の大会では、トーチの設計ミスによってたびたび聖火リレー中に火が消えるアクシデントなどもあったそうで、それを踏まえて近年のトーチは格段に改良されてきているとのこと。聖火が消える心配は払拭されましたが、実際ランナーとして走るのってどんな心境なのでしょう?

北京五輪で聖火ランナーを務めた女子レスリング55kg級アテネ・北京金メダリストの吉田沙保里選手(ALSOK 綜合警備保障)に話をお聞きすることができました!

走る前に予行練習などはあったのでしょうか?

「予行練習はなく、ぶっつけ本番でしたね」

聖火を持って走るって、どんな感覚ですか?

「とっても緊張しましたけど、みなさんに応援されて走るのは気持ちよかったし、楽しかったですね。ただ、聖火をずっと片手で持っていなければいけなかったので途中ちょっとツラかったですが(笑)。でも、いい経験になりました! 記念にいただいたトーチとウェアは、大事に実家に飾ってます」

と、さわやかにコメント。トーチを貰えたなんて、ちょっとうらやましいです!

「機会があればまた走りたい」と吉田選手。東京オリンピックでは出場選手としてはもちろん、聖火ランナーも務めていただき、大会を盛り上げていただきたいものです。さらに、ワタシもそのリレーに参加できたら、言うことありません! これまで聖火リレーといえば、
オリンピックを盛り上げるパフォーマンスのひとつ
くらいにしか思ってなかったワタシ。

でも、その意味や歴史的なバックグラウンドを知り、
本レポートの担当である小林が選手として出場を目指すなら、
ワタシは聖火ランナーとして五輪に参加したい!
という意欲がメラメラとわいてきました。

ところで、今回の取材を通して知った
聖火の入れ物=トーチですが、
あるネットオークションで
トーチが出品されていたことを知ってびっくり。
しかも、落札価格は40万円近く(!)。

そこで五輪グッズ収集家の存在を知ったのですが、
彼ら(彼女ら)の間では記念切手や記念硬貨などのほか、
五輪競技入場券やマッチ箱のラベルなども
価値あるものとして収集されているそう。
なかでもトーチは希少価値があり、人気も高いとか。

どこの世界にもマニアはいるもんなんだな~と、
いろんな意味でオリンピックの人気に驚かされました。

さて、これまで代打として3回ほど
オリンピックの不思議についてレポートしてきた坂井も、
今回で任務終了となります!

次回からは、アラスカでの過酷な修行(?)を終え、
無事帰国を果たした小林が担当として復活しますので、
そのレポートに乞うご期待ください!

引き続き、オリンピックにまつわる、素朴なギモンや不思議など
皆さんからの投稿もお待ちしてますよ!

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