杉山愛がダブルスの記録未達成で思う

テレビはなぜシングルスばかり放映されるのか?

2009.03.26 THU



写真提供/アフロ
先日、テニスの4大大会のひとつ、全豪オープンのダブルスで、日本の杉山愛とスロバキアのダニエラ・ハンチュコワのペアが決勝で敗戦。杉山が4大大会のダブルスを選手活動中にすべて制覇する「キャリア・グランドスラム」を逃したというニュースがあった。日本人としては残念だったが、不思議に感じたのがニュースの扱い。グランドスラムってすごそうなのに扱いが小さすぎる気が。と、あらためて考えてみると、テニスの報道はシングルスが中心でダブルスはおまけ程度。なぜこれほど差があるのか。もしかしてテニスの起源に関係あるのか? 日本テニス協会広報副委員長でもあるスポーツライターの秋山英宏さんに聞いてみた。

「テニスの起源がシングルスかダブルスかは、はっきりしていませんが、19世紀にテニスのルールが定まったころはシングルスとダブルス、ともに存在し、扱いに差はなかったといわれています。実際、1970年代くらいまでは、同じ大会でシングルスとダブルスの両方を制覇する選手もいましたから」

では、何が原因でダブルスの注目度が下がったのか?

「80年代以降、トレーニングや技術の進化により、テニスのレベルが著しく向上すると、両方出場するのは肉体的にも精神的にもキツくなってきた。それで、シングルスに比べ賞金が低く、パートナーとの調整など負担の多いダブルスを避け、シングルスに専念するトップ選手が増えたんです。それにともないダブルスの注目度やレベルも下がっていきました」

たとえば日程も、シングルスとダブルスで勝ち進めば、休養日もなくなっていく。

「プロツアーを運営するATP(男子)、WTA(女子)はダブルスの価値を上げるためPRにも熱心ですが、今後もシングルス優先の傾向は続いてしまうでしょう。巧みな連携プレーなど、ダブルスにはダブルスのおもしろさもあるんですけどね」

ダブルスの注目度低下は競技と選手のレベル上昇の裏返し、なのかも。


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