目指せ、2016年TOKYO!? 

第8回 世界一過酷なスポーツをやってみた!

2009.04.02 THU

目指せ、2016年TOKYO!? 

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すごくいい記事ですね~。
あたしもなんでそんなに招致したがるの?!って思ってました。
でもプラスになることがこんなにあるなら絶対開催してほしい!!
百合子さんも選手としての参加、がんばってくださーい!!
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投稿者:とらこみけこさん(栃木県県/26歳/女性)

国民のみなさんの支えが、
最後は大きな後押しになることは間違いありません!
最後まで一緒に盛り上げていきましょうね!

さて、そんな大切な時期に、R25.jp五輪招致バンキシャのワタシは、
この連載をお休みしていました。
関係者のみなさま、申し訳ありませんでした。

でも、のんきに休暇を取って、ワイハなどに
行っていたわけではありません。
じつは、五輪選手になる夢を叶えるべく、
とある競技の修業に行っていたのです!
それは、世界で最も過酷なスポーツと名高い「犬ぞりレース」です。

今回は、この連載も、その他すべての仕事を
ほっぽり出して挑戦してきた
約1カ月にわたる「犬ぞり」修業についてご報告したいと思います!
レースは、凍結したユーコン川の上や、険しい雪山、ツンドラ地帯など、これでもか! というほど厳しいトレイルを走ります。ドッグフードや、寝袋、斧などを詰め込んだソリの重さは100kg以上だとか…。マッシャーたちは途中、極寒の森の中でキャンプをしたり、途中のチェックポイントで仮眠を取りながらゴールを目指します

世界一(?)過酷で魅力的なスポーツ「犬ぞりレース」とは?



五輪選手を目指すべく、様々なスポーツについて調べてきたライター・コバヤシです。これまで様々な競技の選手に出会い、そのたびに、スポーツに懸ける熱い想いに心打たれました。そして思ったのです。

私も、身も心も捧げられるような競技を見つけて、オリンピックに出場したい! というわけで、不肖・コバヤシ、長い旅に出る決意をいたしました。かねてからチャレンジしてみたいと思っていた競技の修業のためにです。

やってきたのは、北緯64度、気温マイナス35度の極寒の地、アメリカのアラスカ州です。そう、私が目指す競技とは、世界で最も過酷といわれるスポーツ「犬ぞり」だったのです!

なぜ犬ぞりなのか? じつはワタシ、学生時代にアラスカの大学に留学した経験があります。そのときに見た犬ぞりの風景が、どうしても忘れられなかったのです。それはそうと、犬ぞりレースって、いったいどんな競技なのか、みなさんご存じですか? もともと犬ぞりは、アラスカやグリーンランドに暮らす先住民が移動手段として使っていた、いわば生活の足。その伝統や精神を後世にまで受け継いでいこうと、犬ぞりレースが開催されるようになりました。

「犬ぞりレース」にも、短距離でその速さを競う「スプリント」や長距離の「ディスタンス」など様々な種目があります。なかでも、生命維持に必須の、食糧や炊事道具一式をソリに詰め込んで、長いときには2週間以上もかけて走る超・長距離レースは、スポーツを超えた壮大な冒険の旅です。
走れなくなった犬は、チェックポイント限定で棄権させることが可能。チェックポイント以外で棄権させた場合は失格です。マッシャーたちは、調子の悪い犬をソリに乗せて、チェックポイントまで走ってくることも…
でも、よく考えたら、犬ぞりって五輪の正式種目じゃないですよね? こんなに素晴らしい競技なのに、なぜ正式種目になれないのでしょう? 日本オリンピック委員会の渡部徹さんにうかがいました。

「実は、過去に一度だけ、犬ぞりが冬季オリンピックの公開競技になったことがあります。1932年の第3回レークプラシッド大会のことです。しかし残念ながら、それ以降、正式競技になったという記録はありませんね」

でも、どうして正式競技への道を歩めなかったのでしょう? 犬ぞりのマッシャー(犬ぞりつかい)として国内外で活躍されている、平井寧さんに聞いてみました。

「一番のネックは、経済的な問題。国際大会となると、犬の輸送費など莫大なお金がかかります。また、競技のために広大なスペースが必要ですので、それも正式競技への厚い壁でしょうね。でも、国際統一ルールを定めている国際犬ぞり連盟では、長年、正式競技登録を目指して活動しています。まだまだあきらめたわけではありませんよ!」

なるほど。大自然の中で行う競技だけに、いろいろと大変な面があるのですね。なんだかますます犬ぞりに興味がわいてきました。こうなったらもう自分の目で、体で、犬ぞりを体験するしかない!! 応援してくださる読者のみなさんのためにも、必ずや犬ぞりの魅力を伝えてみせますよ。スポーツライターの名にかけて!
レース観戦だけでなく、ちゃんと犬ぞりにも挑戦してきました! 右に行きたいときは「ジー」、左は「ハー」と犬に声をかけるのですが…。へっぽこマッシャーをナメているのか、はじめのうちはまったく言うことを聞いてくれない犬たち

実録ルポ! 世界最大の犬ぞりレースを体験してきた!



様々なスポーツの取材をするうち、世界で一番過酷で魅力的なスポーツといわれる「犬ぞり」に出会ったライター・コバヤシ。ライターたるもの、何事も経験! と、本当にはるばるアラスカまで来ちゃいました!

今回ワタシが乗り込んだのは「ユーコンクエスト」という大会。世界中の犬ぞりレースの中でも、走行距離、ルート難易度、どれをとっても最も過酷といわれているレースです。

レースは、カナダのホワイトホースという街から国境を超え、アメリカ・アラスカ州のフェアバンクスという街を目指します。その距離なんと、1600km! 軽く本州を縦断できる距離を、ひとりのマッシャー(犬ぞりつかい)と、14頭の犬が力を合わせて、10日~14日間で駆け抜けるアドベンチャーです。

レース当日、カナダのホワイトホースの気温はマイナス35度。たった5分、外にいるだけで、髪の毛も鼻毛も、すべてカチコチに凍ってしまいます。スタートラインには各国からマッシャーが集結。そしてその中に、日本人らしき女性選手を発見しました! 新潟県出身の本多有香さん(36)は、カナダで見た犬ぞりレースに魅了され、単身カナダで犬ぞりの修業を始めたというパワフルな女性です。

実は有香さんがユーコンクエストに挑戦するのはこれが3度目。1回目は、雪山で猛吹雪にあい棄権、2回目は犬の不調で棄権しているのだそう。「天候」や「犬」など、選手自身の実力以外の要素が、大きく結果に影響するのが犬ぞりレースなんですね。

「長い時間をかけて犬との絆を深めて、一緒にレースに臨む。それが醍醐味。夜の走行などは寒くてつらいですが、ふと空を見上げるとオーロラが舞っていたりして。その感動があるからこそ、犬ぞりは魅力的なんです」(本多有香さん)

なるほど、厳しい自然に立ち向かう人だけが見ることのできる美しい地球の姿。自然や動物とのかかわりすべてをひっくるめて、犬ぞりの魅力なのですね。
1時間ほど、餌をやったり、一緒に遊んだ後、もう一度チャレンジしてみると、ちゃーんと言うことを聞いてくれました。犬との信頼関係がないと、犬ぞりは全く走れないのだと痛感した初体験でした
あともうひとつ、レースに密着してみてわかった犬ぞり競技の素晴らしさがありました。それは選手たちが持つ「究極のスポーツマンシップ」です。レース最難関といわれる雪山で、4位を走るチームが立ち往生してしまったときのこと。先を走っていた3位のマッシャーが、山を引き返して来て、ライバルチームの登頂をサポートしたのです。ことの成り行きを見守っていたあるベテランマッシャーの言葉が印象的でした。

「ユーコンクエストでは、勝つことは大きな意味を持たない。本当に大切なことは、とてつもなく大きな冒険に挑戦することなんだよ」と。

挑戦し続けること。冒険に立ち向かっていくこと。それが、世界一過酷といわれるレースの根底にある精神だったのです。それは、つきつめていえば、どんなスポーツにも通じる大切な姿勢。スポーツは、自分自身との闘い。そしてまたスポーツとは、新しい自分に出会うための、ひとつの生き方なのです。

1カ月も仕事をほっぽり出して行った犬ぞりレース体験でしたが、スポーツライターとして、とても大切なことを学べた旅でした。この先の人生、大きな壁にぶち当たったときは、極寒の原野を懸命に走るマッシャーと犬たちの凛とした姿を思い出して、ワタシもまっすぐ前に進んでいきたいと思っています! マイナス40度の極寒の中、
16日間もかけて見つめ続けた犬ぞりレースは、
スポーツとは何か? というあまりにも単純な問いに、
これ以上ないというくらいシンプルに、
そして熱く答えてくれました。

人間を寄せつけない厳しい原野を、風のように駆け抜ける犬ぞり。
それは太古の昔、極北の先住民たちが生きた
手つかずの大自然を想像させる、美しく、幻想的な風景でした。

今回の犬ぞりレースの体験は、
スポーツの素晴らしさとともに、
アラスカという土地の自然や歴史をも教えてくれました。

スポーツを通して、自分の知らない世界を知ること。
人生の新しい扉を開くこと。
スポーツの役割というものを、
改めて深く考えさせられた旅でした。

連載をお休みして、たくさんの方々に
ご迷惑をおかけしましたが、
この経験を生かして、次回からまた
オリンピックについて熱いレポートをお届けします!

2016年の開催地決定まで、あと半年!

どうか、みなさんも力を貸してくださいね!
みなさんからのご質問、投稿もお待ちしていますよ!

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