週末おでかけレシピ

第6回 現地に行かずに“観衆”になりたい!

2009.04.03 FRI

週末おでかけレシピ


2006年ワールドカップの際に、Tジョイ新潟万代で行われたパブリックビューイングの様子。お客さん総立ちで、映画館とは思えないほどの盛り上がりよう。

現地さながらの興奮を味わえる!?映画館DEパブリックビューイングって何?



サッカーのワールドカップやWBCなど、大規模なスポーツの試合が行われるたび、ちょいちょい耳にするようになったパブリックビューイングという言葉。みなさん、何のことだか知ってます? 世の中のスポーツ事情にあまり詳しくないわたくしは、言葉こそ聞いたことがあるものの、実際どんなことが行われているのかさっぱり。

そこで、少々調べてみると、どうやら日本各地の映画館でも行われているらしい。その草分け的存在である、ティ・ジョイのエンタテインメント事業部斎藤大造さんにパブリックビューイングの現状について伺ってみた。

「パブリックビューイングとは、スタジアムや街頭などで、大きなスクリーンを使ってスポーツ観戦を楽しむイベントのことです。日本でこの言葉が浸透し始めたのは、2002年の日韓ワールドカップのころから。惜しくもチケットが取れなかったファンのために、国立競技場で開催されたことがきっかけだったと思います。ただ、当時はいろいろと権利に関する問題がありまして。公共の施設で放送するのは難しいことだったんですよ。その後、パブリックビューイング権という権利ができ、開催される機会や場所が徐々に増えていきました。ティ・ジョイが映画館でパブリックビューイングを開催するようになったのは、2006年のワールドカップからです」

なるほど。サッカーや野球の試合中継以外でも、パブリックビューイングは開催されているのでしょうか?

「総合格闘技や音楽ライヴなども実施しています。昨年は、LArc~en~Cielのパリでのライヴを5都市のシネコンで生中継したり、仮面ライダー電王のイベントやペ・ヨンジュン主演ドラマのプレミアムイベントを全国各地の映画館で同時上映したりもしました。どれも、すごい反響でしたよ!」

チケットが売り切れて会場に入れない、会場が遠くて行けないファンに向けてのパブリックビューイングも開催しているんですね。そんなパブリックビューイングの魅力とは?

「大きな画面と良質な音響で、現地さながらの臨場感を味わえることではないでしょうか。特に、映画館で行う場合、音の大きさは限りなく生に近いですし、大きなシートでリラックスしながらゆったりと観ることができます。あとはやはり、映画館は街中にあることがほとんどなので、気軽に足を運べることも魅力ですよね。ちょっと足を延ばしただけで、自宅では味わえないファン同士の一体感や、人との触れ合いを経験できますから」

今後は、より生の雰囲気を味わえるよう、場内にスモークをたいたり、内容に合わせて音響や場内の明るさを変えるなど、様々な演出を試みていくそう。チケット代は内容によって様々だが、スポーツ観戦なら2000円~といったところ。最後に、斎藤さんにパブリックビューイングの楽しみ方を伺ったところ、「とにかく、とことん盛り上がってください!」とのこと。他のお客さんに迷惑がかからない範囲であれば、服装や持ち物の規制もなく、現地に行くのと同じ装備&テンションで出かけてOK。

現地まで行くには時間やお金に余裕がないという方、今後は自宅でひとりテレビとにらめっこ、ではなく、パブリックビューイングに足を運んでみてはいかが?
日本チームのファインプレーに沸くお客さんたち。わたしも興奮せずにはいられず、こんなブレまくりの写真になってしまいました…。ちなみにこの日のチケット代はワンドリンク付きで2000円。映画一本鑑賞するのとほぼ同じ金額で、日本のスポーツ史に残る一瞬を大迫力で楽しめるのだから、なんともお得

映画館のパブリックビューイングでは どんな興奮が待っているのか?



現地に行かずとも、大画面&大音響で、現地さながらの興奮を味わえるパブリックビューイング。しかも、多くのファンが集まるため、自宅では体感できないファン同士の一体感も味わえるとのこと!

そんなパブリックビューイングがどんなものかを体験すべく、3月23日(月)のWBC準決勝の日米戦の会場、シネマコンプレックス「新宿バルト9」に足を運んでみた!

午前8時20分ごろ、「新宿バルト9」前に着くと、すでに何人かのお客さんがエントランス前でオープンを待っていた。「平日の朝なのにスゴいなぁ」と思いつつ、開場時間の8時45分を過ぎたころ、会場となる10階のシアターに足を踏み入れると、まばらではあるが何人かのお客さんがポップコーンやドリンクを片手に席に着いていた。カップル率が高いながらも、なかには女性だけのグループなんかもいる。スクリーンには、すでにドジャースタジアムの模様が流れており、試合開始までのソワソワした感じが伝わってくる。

徐々にお客さんが増えていき、試合開始とともにスクリーンに「君が代」が流れると一斉に拍手が! 先発・松坂でプレイボール。しかし、いきなり2球目からホームランを打たれ、場内からは一斉に「えー!!!!」とのどよめきが。初回にもかかわらず、一体感ある声援や拍手、落胆の声が巻き起こり、「うおー、すでに一体感が生まれてるー!」と、新参者のわたしはちょっと興奮。

アメリカリードで進んでいたものの、2回裏、日本が追いつき1対1になると一気に歓声が沸いた。その後も、プレーごとに一喜一憂の声が上がり、なかには応援用のバルーンを叩いて会場を盛り上げるお客さんも。

そして、4回裏、リードを許していたアメリカに日本が再び追いつくと、会場のムードがよりヒートアップ。小さなプレーでもお客さんが沸き上がり、場内に漂う空気もより熱気を帯びた感じに。ふと、会場を見渡すと、試合開始のころよりはかなり人が増え、なかにはスーツ姿のサラリーマンもちらほら。ちょうど回がチェンジするタイミングだったので、先頭のど真ん中の席で一番盛り上がっていたグループのひとりにちょっと声をかけてみた。

「パブリックビューイングは初めてですか?」(筆者)

「いいえ、今回のWBCは全試合ここに観に来てます!」(男性)

「すごいですね! ってことは、かなりの野球好きですか?」(筆者)

「いや、別にそういうわけではないんですけど、家でひとりで観るよりはみんなで観た方が盛り上がるし、楽しいので。今日も職場の仲間と来ているんですが、たいていこのメンバーで観に来てます。あと、この大画面はやっぱ迫力ありますしね!」(男性)

ほ~う、なるほど。これはわたしの感想だけど、確かに観に来ているお客さんの大半は、試合自体をじっくり観るというよりは、恋人や友達と一緒にお祭り騒ぎを楽しんでいる感じ。だから、試合の途中でも席を立ち、回が変わったころに戻ってくる人なんかもいる。そんな自由さも魅力なのかも。「静かに観たい方も、大勢で騒ぎたい方も楽しめる。それぞれの目的に合わせた楽しみ方ができるのも魅力だと思います」と、パブリックビューイングを開催しているティ・ジョイの広報の方がおっしゃっていたことにも納得。

と、パブリックビューイングの魅力を実感しているうちに、試合はつぎつぎと展開し、4回裏の終了時には6対2と日本がリード。その後、2点差に迫られるものの、最後は9対4と見事勝利を勝ち取り、決勝戦への進出が決定(その後の決勝戦はご存知の通り)。試合終了時の場内の歓声は、スクリーンを通して映し出されるドジャースタジアムさながら。かなりの熱気と興奮に包まれながら、終了したのでした。

わたし自身、熱狂的な野球ファンではないのですが、5回あたりから、日本の選手のプレーに対して声を上げたり、眉をしかめたり自然としていました。たぶん、家でひとりで観ていたら、そんなことはしていなかったはず。会場を包む熱気と一体感が試合のなかにわたしを引き込み、そうさせたのだと思います。現地に行かずとも試合の興奮はばっちり味わえます! しかも空調が効いてる&大きなリクライニングシートがある分、かなり快適に。自宅よりはちょっと豪華に、現地に行くよりは気軽に楽しめるパブリックビューイング。
未体験の人はぜひ。 にわか野球ファンのわたしが、こんなにも試合に熱中するとは!
ちょっと驚いた今回の取材。
やっぱり、つられます。周りの雰囲気に。
ひとりで来てるんだけど、ひとりで観てるわけではない。

開始直前のスタジアムの状況から試合終了まで
ぶっ通しで観ることができるのも、
パブリックビューイングの魅力かもしれません。
テレビ中継では、途中、CMやニュースが入ったりしますからね。

とはいえ一度は生で観てみたい。観客席で応援歌とか歌ってみたい。
と切実に思い、この夏、神宮球場にナイターを観に行く計画を立てました。

次回も、ある意味バーチャルな体験をしてこようと思っております。
今後もご意見・ご感想、どしどしお寄せください!

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