WBCでは導入されていたけど…

野球の「DH制」はどうしてリーグによってバラバラなのか?

2009.04.16 THU



写真提供/共同通信社
WBCの余韻が残るなかでプロ野球が開幕した。でも、開幕カードの巨人対広島戦をテレビで観ていたら、WBCとなにかが違う。それは投手が打席に立つこと。WBCでは投手の代わりに打撃専門の野手が打順に入る「DH(指名打者)制」が採用されていたのに、日本のプロ野球ではパ・リーグしかDH制を採用しておらず、セ・リーグにはないのだ。メジャーリーグも、ヤンキースのア・リーグにはDHがあるが、ナ・リーグにはない。国際大会ではDH制が採用されるケースがほとんどなのに、なぜか日本も米国もリーグによってDHがあったりなかったりする。

じつはその理由はDH制が生まれた背景に関係している。DH制が初めて導入されたのは35年以上まえの1973年、メジャーのア・リーグでのこと。メジャーではナのほうが歴史が古く、当時のアは人気で負けていた。そこで考案されたのが、それまで9人でやっていた野球に打者をもうひとり参加させ、派手にホームランが飛び交うような試合にして観客を増やそうというアイデア。ファンを球場に呼びたいア各球団はこの提案を満場一致で受け入れ、DH制を開始。その結果、アの観客動員数は前年から数百万人も増加したといわれている。

これをみて、やはり人気でセに負けていた当時のパがDH制を導入したのはそのわずか2年後、75年のこと。つまりDH制とは、両リーグの野球を変え、差別化をはかることが目的でもあった。だから、2つのリーグで統一されていないのはある意味で当然なのである。実際、ほかにも予告先発をはじめ、パ独自のルールはいくつもある。

もっとも、最近のメジャーではリーグを再編してDH制を廃止すべきという声も少なくない。一方で日本では、イースタン・リーグ所属のセ全球団が今季からDH制を導入。数年前には阪神がセも交流戦ホームゲームでの導入を提案したことがあった。DHはアリかナシか。セはDHに対していぜん否定的で、リーグの独自性とルールの統一の問題はまだ続きそうなのだ。


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