週末おでかけレシピ

第10回 ガード下で酒が飲める男になりたい!

2009.06.05 FRI

週末おでかけレシピ


ガード下というと、ビールケースで即席に作ったテーブルや、赤ちょうちん、ホッピー、串焼き、など昭和の香りを帯びた、ちょっとディープで哀愁漂う世界が広がっている感じ。その独特の世界に、つい足を踏み入れたくなるんですよねぇ

やっぱりハシゴ? それともじっくり?ガード下を楽しむ飲み方とは?



赤ちょうちんがぶら下がり、白い煙がもうもうとあがるガード下の飲み屋街。都内では、山手線の駅なんかでよく見かけます。仕事帰りに軽く一杯、そして、2軒、3軒とハシゴし、とっぷりと夜が更けるまで酒につかる。なんて経験がしてみたい! でも、ガード下って昔かたぎな店主となじみのお客さんばかりで、新参者にはハードルが高い場所のようなイメージがあるのですが。

「今はガード下も代替わりをしていて、新しくて気軽な感じの居酒屋が多いですよ。また、お客さんもお店の方も気さくな方が多いので、身構えなくても大丈夫だと思います」

と、教えてくれたのは、雑誌『酒とつまみ』の編集長・大竹聡さん。酒とつまみにまつわる話はもちろん、各地の酒場情報に精通する酒飲みのプロです。

「お店に入ってみて、なんだか自分に向かないなと思ったら、サクっと飲んで席を立てばいいんです。ガード下の酒場では、さっと飲んでさっと帰る、なんてこと日常茶飯事なので、お店の方に悪い印象を与えることもありませんしね。なので、まずは、屋台風のお店や、店内が見渡せるようなお店に入り、自分の好きな物を注文したら、あとは周りのお客さんの様子をうかがってみる。お客さんの層でお店の雰囲気はだいたいわかりますし、人気のメニューも発見できると思います」

なるほど。ガード下を楽しむためには、やはりいろんなお店に行った方がいいのでしょうか?

「そうですね。1軒に腰をすえるよりは、ハシゴした方が楽しめると思います。飲み屋に寄り道っていう感覚も、ガード下ならではの魅力ですからね。僕のおすすめは、あらかじめ予算を決めて飲みに行くこと。今日はこれだけ飲んで帰ろうという金額にプラスを加える。このプラスは、酔えばだらっとしてしまうから、そのときのためのお金。あのつまみはいくらでビールがいくらだから、あと○○円楽しめる、と予算とにらめっこしながら飲むのも楽しいもんですよ」

ガード下では、いくらくらいをめどに予算を立てるといいですか?

「安い酒場なら、ビール2杯+ちょこっとつまみ、で1500円もあれば1軒は楽しめると思います。ハシゴすることを考えて、3000円プラスぐらいではないでしょうか。もちろん人によりけりなので、自分の酒量&胃袋のキャパと相談して決めてください」

3000円で2軒か、そりゃ安い。そのほかに、楽しむためのコツなどはありますか?

「ガード下に行くってなるとなんかわくわくしません? 多分、あのお祭り感というか、屋台風の気軽さみたいな雰囲気がそういう気持ちにさせてくれるんですよね。なので、肩肘張らず、肌に合うお店で自分のいいように楽しむのが一番だと思います」

そのお祭りにも似た独特の熱気と開放的な雰囲気が、仕事の疲れを癒やし、明日の活力を養ってくれるのかもしれません。今夜は一杯、ガード下でどうですか? 軒先に灯る赤ちょうちんが温かく出迎えてくれるはずですよ。
1軒目『くし家』では、串揚げのほかにホタルイカの沖漬けなどもオーダー。サックサクの衣に、ソースがじゅわりとしみわたり、ビールがとまらなくなります! しかし、まぁ、ガード下には串がよく似合いますな

知られざる“世界観”を求めていざガード下酒場の一夜をレポート!



夜の帳(とばり)が下りたころ、ガード下の酒場にはどんなドラマが巻き起こっているのか? 今回は、人と酒とが織りなすドラマに巡り会うため、サラリーマンの聖地・新橋ガード下へ意気揚々と出かけてまいりました!

ちなみに今回は、新橋ガード下にかなり詳しいという『古典酒場』の編集長・倉嶋紀和子さんのお知恵を借り、倉嶋さんおすすめのお店から攻めていきたいと思います!

平日20時過ぎ、JR山手線新橋駅に到着。この日は大雨にもかかわらず、新橋駅烏森口前はスーツ姿のサラリーマンやOLさんなどで大賑わい。人の波に圧倒されつつ、まずは、烏森口から浜松町方面に向かって徒歩1分のところにある串揚げのお店『くし家』へ。

お店に着くと店内から「いらっしゃーい! 何名様?」と、威勢のいい声が。このお店、1階がオープンエアになっており、入り口から店内の様子が見渡せる。カウンターとテーブルに分かれた席はほぼ満席。席に着き、まずはビールと串揚げをオーダー。店内を見渡すと、2人組、もしくは1人のお客さんばかり。なかには常連のお客さんもいるようで、カウンター越しに店員さんとおしゃべりを繰り広げている。すると、ひとりの女性客が、こちらのテーブルに向かってくるではないか! な、な、なんですか!? と内心ビクついていると、どうやら私のテーブル脇の壁に貼ってある店員さんたちの写真を見にきたようで、じぃっと壁を眺めている。

「よくいらっしゃるんですか?」と尋ねたところ、「先週は毎日来てたの。でも今日は久々」。おおっ、なんだか話し方がかわいらしくて、色っぽい。初対面にもかかわらず、その後もしばらくおしゃべりを続け、「では、ごゆっくり」と、席に戻っていかれました。あぁ、私が男だったら新たな恋のチャンスに発展したかもなどと、やるせない思いを抱えつつ、ひと通り串揚げを堪能し、けっこう酔っぱらってきたので、2軒目を目指すことに。
2軒目『やきとん まこちゃん』のやきとん。やきとん&ホッピーって、なんでこんなにもサマになるのでしょうか。うーん、噛めば噛むほど広がる肉汁がたまりません! おじさんは唐揚げが大好きらしく、「ここの唐揚げ、うまいなぁ~!」と、頬を緩めておりました。まだまだ青春真っ盛りだよ! 次、次! 次の恋!
次に目指すは、やきとんの名店「やきとん まこちゃん」のガード下酒場店へ。すると、お店の前で、雨空をじーっと見上げている一人のおじさんを発見。しかも、おっさん、ちょっと泣いてるー! こ、これはドラマを秘めてるかも! と、思い切って声をかけてみると。「いやぁ、いろいろあってね。おじさんも泣きたいわけだよ」。聞きますよ! その涙のわけを! と、おじさんとともに店内へ。

おじさんの話によると、50歳を前にして、恋に落ちてしまったそうだ。最後の青春!と、思い切って告白したものの玉砕。そして、その女性と出会った、前の職場がある新橋で、ひとり失恋の痛手を酒で癒やしていたそうだ。せ、切ないっす。

最初はしんみりとしていたおじさんですが、お酒が進むにつれて、笑顔が戻り、もはや話は、最近購入したばかりだというiPhoneの自慢に。その話を聞きながら、やきとんに舌鼓。周りには、ネクタイを緩めて、顔を赤くしたサラリーマンたちが気持ちよさそうに宴を楽しんでいる様子。

ラストオーダーの声がかかったころ、「恋も人生もやきとんも、噛めば噛むほど味が出る」とボソリ。これが、恋に破れ、iPhoneの話に飽きたおじさんの、最後のセリフでした。なるほど!

ガード下は愉快だ。そして、ドラマティックだった! オープンな雰囲気のお店が多いせいか、集まる人々もオープンな気がする。『酒とつまみ』の編集長・大竹さんも、「ガード下の酒場では、おじさんとちょっとヤンキーっぽい若者と外国人が、一緒になってワイワイやってたりするんですよ。その開放感は、ガード下ならではの魅力だと思いますよ」と、おっしゃっていたけど、まさに開放的! そして、お店の方もお客さんもみな親切。今まで抱いていた、新参者はお断り!的なハードルの高いイメージは、一掃されました。みなさんも、おいしいお酒とドラマティックな一夜を求めて、ガード下で一杯ひっかけてみてはいかが? ビールが主食!な私にとって、
今回は、かなりゴキゲンな取材でした。

ほぼ毎日のように飲み歩いているので(しかも一人で)、
見知らぬ人に声を掛けるのは、異性であろうと、同性であろうと、
まったく気負いしないのですが、
「そういうのはちょっと苦手」という方は、
さり気なく店員さんとお客さんの会話に入ってみるのもアリですよ。

ガード下のお店&お客さんは、本当にとても気さくで親切ですから。

とはいえ、良し悪しを見分ける眼力を養うためにも、
いろいろなガード下の酒場に通い、ときには失敗もしながら、
ドラマを重ねてみてください。

今回の私の失敗は、翌日、二日酔いがひどすぎて、
使い物にならなかったことでしょうか。

さて、ここ数回、都内ばかりをウロウロしていたので、
次回は、ちょっと郊外へ足をのばしてみたいと思います!

みなさん、今後もたくさんのおでかけ情報、送ってくださいねー。
記事に関する、ご意見&ご感想もお待ちしております!

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