入江の世界新記録に「待った!」が…

レーザーレーサーに国産が逆襲「水着戦争」激化のゆくえは?

2009.06.11 THU



写真提供/時事通信社
1分52秒86。先月、オーストラリアで行われた競泳の国際大会・第1回日豪対抗で、日本のエース・入江陵介が男子200m背泳ぎで、それまでの記録を1秒08も上回る世界新記録をマークした。が、残念ながら、彼の記録はいまだ(6月1日現在)公認されず保留のままだ。理由は簡単、彼の水着が国際水泳連盟(FINA)で認可されなかったからだ。さかのぼって、今年4月に行われた競泳日本選手権では、史上最多20個の日本新記録が誕生したが、実はこのうち16個が、国内メーカー3社の水着、っていうから驚いた。去年の今ごろ、黒船的に出現したアノ水着、英・レーザーレーサーに競泳界のみならず日本中が大騒ぎしてませんでしたっけ!? すったもんだの挙句、アノ水着を着た北島康介の速さに日本中がなんも言えねえくらい感動したのにいつのまに日本の水着がスゴくなったのか。

あの一件で水着の開発競争が激化、後れをとった国内メーカーが猛追し、今回の記録ラッシュにつながったわけだが、それが裏目に出たのが、冒頭の入江選手の世界記録公認問題。すでに日本水泳連盟は日本記録として認めているのだが、FINAはラバー素材が生みだす浮力の効果に問題があると未公認。このままだと日本新記録が世界新記録より速いという異常事態が起きることに。一体、水着戦争はドコまでいくのか?

「泳法別の水着が開発されるなど、このまま水着が進化すると、競泳自体が泳力よりも水着の優劣で決まる競技になりかねない。FINAによる明解な基準を一刻も早く作ることが重要。日本新記録が世界新記録よりも速いというダブルスタンダードは避けるべき」(スポーツライター・生島淳氏)

水着が新記録を出すわけじゃないけれど、とばっちりを受けるのは選手たち。入江選手は会見で水着騒動を「悲しい」と答えながらも「この夏の世界選手権では、世界新でもあり日本新でもあるタイムを目指す」と語ったのが力強く、そして、頼もしい。


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