やり投げ、3万m競走、走り幅跳びetc.

人類にはもう破れない?“長持ち世界記録”ワケあり事情

2009.11.05 THU



写真提供/AFP=時事
「記録が破られにくい種目の特徴は2つあります。まず、競技人口が少ないこと。やり投げなどの投擲種目や競歩は、人気のある短距離走などに比べ、競技人口が増えづらい。テレビ露出も少なく、世界記録に賞金が出る大会もないからです。もう一つは、競技機会が少ないこと。長時間走り続ける3万m競走など、観客が退屈してしまう種目は集客を期待しにくいため、主催者側が大会での実施を敬遠しがちなのです」(日本陸上競技連盟・関 幸生さん)

しかし、長いあいだ記録が更新されない理由はそれだけではないらしい。たとえば、80年代にソ連や東ドイツが生んだ円盤投げやハンマー投げの世界新記録。当時、社会主義の国々は、自国の強さをアピールする目的で国策として全面的にスポーツ選手をバックアップ。優秀なコーチやスポーツ科学の先鋭を結集して「勝利できる選手」を育成し、様々な競技の記録を塗り替えた。

さらに、標高や気象条件も記録に影響するという。高地では空気抵抗が小さくなり、記録が伸びやすくなるためだ。事実、高地であるメキシコシティで行われた68年のオリンピックでは、好記録が続出。特筆すべきは、91年以来記録が更新されていない走り幅跳びだ。競技場に台風が接近し、極めて気圧が低い状態だったからこそ叩き出された記録だといわれているらしい。

現在、走り幅跳びの記録更新が期待されるのは、前述したウサイン・ボルト。記録だけでなく自然の生んだ奇跡への挑戦でもある。人間と自然の闘いは、記録の世界でも行われているのだ!


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