自営業者のゴマかしを防止する!?

欧米諸国では当たり前「納税者番号制度」とは?

2009.12.17 THU



写真提供/時事通信社
政府が「納税者番号」の導入に向けて動き始めた。この納税者番号とは、納税者全員に10ケタの番号をつけ、納税者の識別や本人確認を効率的におこなう仕組みのこと。すでに米国やカナダ、ドイツなどの欧米諸国、韓国やオーストラリアでも普及している制度で、政府はこの納税者番号を2013年に導入し、14年1月の利用開始を目指すらしいのだ。

でも、納税者ひとりひとりに番号をつけて管理するなんて、ちょっと嫌な感じもする。なぜそんなものが必要なのか。ひとつには、納税者の所得や納税の状況を正確に把握し、公平に課税する目的があるといわれる。じつはこれまでのやり方では、所得がはっきりしているサラリーマンに比べ、自営業者などの所得は税務署でも把握しづらかったのだ。そのうえ、最近は金融商品が多様化したために、配当や株式譲渡益といったいろんな金融所得もある。そこで納税者の所得データを銀行などの“支払う側”から提出してもらい、税務署が納税者の申告と合っているかどうかを確認しようというわけ。その仕組みに必要なのが納税者番号で、番号制度の導入によって、税の不公平感をなくし、課税逃れを防止できるのである。

もうひとつのメリットといわれるのが福祉の充実や貧困対策。鳩山内閣は所得税の減税と給付金の支給を組み合わせた「給付つき税額控除制度」の導入を目指しているが、納税者番号があれば所得が低い人を把握できるために給付金などを支給する制度も導入しやすくなる。所得格差を以前よりは是正できるのだ。実際、欧米では納税者番号を使って低所得者に給付金を出している。

ただし、この仕組みに問題がないわけではない。その代表的なものが所得や資産を知られることに対する納税者の反発で、国民に番号をつけるという「監視社会」に対する不安感は根強い。そのため、こうした統一番号制度は何度も検討されながらも結局できなかったのだ。前政権に比べて支持率の高い鳩山内閣とはいえ、納税者番号の導入はなかなか大変そうなのだ。
(押尾銅山)


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト