働くオトコの法律講座

第4回 どこまでやったらセクハラになるの?

2010.01.05 TUE

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セクハラはあくまで被害者基準。不安をあおるわけじゃありませんが、いくら親しい間柄でも相手の本心は外から見えませんから、調子に乗りすぎるとシャレにならない事態を招くことも… イラスト/清野とおる

セクハラか否かを決めるのは、被害者側の主観



男性社員「元気ないね。もしかして生理?」
女性社員「それ、セクハラですよ!」

なんてベタな例を持ち出すまでもなくすっかり認知されたセクシャル・ハラスメント。女性の権利(日本国憲法13条の幸福追求権・人格権)が守られるようになったのはもちろん結構なことですが、その分、男性にとっては無自覚に地雷を踏んでいた、みたいな話も他人事ではなくなりました。裁判沙汰になれば懲戒処分に加え損害賠償&弁護士費用がドン、なによりキツいのが信用の喪失で、ヘタすりゃ社会的にサヨウナラです。

「フフン、オレは女子社員にウケがいいから大丈夫」なんて高をくくってるあなた、危ないかもしれませんよ。法律事務所オーセンスの元榮太一郎弁護士いわく「セクハラとは“相手の意に反する性的言動”を指し、セクハラか否かを決めるのは“相手側の主観”です。あなたの価値観はまったく判断基準になりません」。つまり、ぼくらによこしまな気持ちや下心が一切なく、「ウッカリ」言ってしまっただけだったとしても、相手が「不快だわ!」と思えばそれまで。 え、じゃあどうしようもないの? 残念なことに相手の本心はどうしたって読めない以上、今のところ「形式的な行為を避ける」のが、加害者にならないための最も有効な手だてといえそうです。その行為をざっとまとめると以下のとおり。

・発言関係
「スリーサイズは?」「生理か?」「もう更年期?」「初体験はいつ?」「彼氏とは週何回?」など性的な関心・欲求をにおわせる発言や聞くにたえない下ネタ(電話やメールも含む)、「これだから女は~」的な差別意識にもとづく(と判断される)発言や「女の子」「お嬢さん」「おばさん」といった人格を認めないような呼び方

・行動関係
職場にヌードポスターを貼る、エロ雑誌/記事/サイトを見る、不必要に体に接触する、体をしつこく眺め回す、食事やデートにしつこく誘う、女性であるというだけでお茶汲みや掃除などをさせる、カラオケでデュエットを強要する

これらは「クロ」もしくは「限りなくクロに近いグレー」だそうです。要するに、実質的なセクハラ認定は被害者の胸三寸だけれど、とりあえず形式的な行為をしないでおけば自分のあずかり知らないところでセクハラが成立しているような事態は防げるわけですね。ビクビクしすぎるのも精神衛生上よろしくないですが、社会人としての最低限のマナーという意味で、頭の隅に置いておくとよいかもしれません。 法律についての疑問や、法律が関わるような悩みがありましたら、右下の投稿ボタンから投稿ください。

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