働くオトコの法律講座

第6回 未消化の有給休暇は換金できるか?

2010.01.19 TUE

働くオトコの法律講座


有休の買い上げを認めると、きちんと休まない人が増えてしまう。だから買い上げはダメよ、というのが法律の考え方。そして、休む権利を行使しないのは労働者の責任。せっかくの権利は使わにゃ損です イラスト/清野とおる

労働基準法の趣旨から外れなければ買い上げもアリ!?



みなさん、ちゃんと年次有給休暇(以下、有休)とってます?

「仕事が忙しくてムリ」
「とっちゃいけない雰囲気がある」
「有休はないと上司にいわれた」

なんて歯がみされる方もいるかもしれません。でも、労働基準法39条は、使用者(会社)は、雇い入れの日から起算して6カ月間継続して勤務し、かつ全労働日の8割以上出勤した労働者に最低10日の有休を与えなければならない、と定めています。法律事務所オーセンスの元榮太一郎弁護士にお聞きしても「有休は労働者に当然に生じる権利で、原則としていつでも自由に取得できます」とのこと。本来、有休というのは会社の顔色をうかがって「とらせていただく」ものではないんですね。

ただし、たとえば多数の従業員が同時に有休をとるなど事業の運営に支障が出る場合に限り、会社には取得日を振り替える時季変更権が認められるそうです。といっても、あくまで「変更」するだけなので、いったん許可した有休は取り消せません。もし会社が有休消化中の従業員に出勤を強制したり、事実上有休をとらせないような対応をすれば労基法違反になり、悪質なケースには6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則(労基法119条)まで用意されています。 こんなふうに法律で守られているにもかかわらず、ふつうに勤務しながら有休を使いきるのは現実的に難しいですよね。ほっとけば2年で消滅してしまいますし(労基法115条)、だったらいっそ会社に買い上げてもらえないのか。結論からいえば、有休の買い上げは原則として禁止=違法だそうです。労基法39条の趣旨は“労働者を休ませること”なので、当の労働者が「休みよりお金が欲しい」みたいに傾いたら本末転倒なんですね。ただしこれも例外があって、

・時効で消滅した有休
・退職時に未消化の有休
・労基法で認められる日数を超えて付与された有休

なら買い上げOK。上記は有休取得を事前に抑制しないと考えられ、実際に制度として導入している会社もあるようです。しかし、これは会社が任意でやっているにすぎません。なので、有休買い上げ制度のない会社が従業員から買い上げを要求されても、応える義務はないそうです。個人的には、有休取得率47.4%(平成20年/厚生労働省調べ)という現状を鑑みるに、せめて失効してしまった有休に関しては買い上げを義務づけてもいいんじゃないかな、と思ったりします。 法律についての疑問や、法律が関わるような悩みがありましたら、右下の投稿ボタンから投稿ください。

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