悪者扱いをされていたようだが…

「租特」でトクしているのはいったいどこの誰なのか?

2010.01.21 THU



写真提供/時事通信社
誰かが特別扱いを受けていて、その恩恵を被っている。字面だけ見ていると、そんな印象が浮かんでくる租特(租税特別措置)。昨年末、税制改正をめぐってたびたび報じられたが、実はその実態は政権交代前からクローズアップされていた。自民党政権時代、民主党から疑問の声が上がっていたのだ。

租特とは、所得税法や法人税法など、元の法律は変えず、一時的に租税のルールを変える、というもの。特定の産業部門や納税者層の税負担を減免、あるいは重くすることで、目的とする政策の実現を後押ししようと考え出された。元来はその名の通り“特別”なもので、2~5年の期限付き減税となっているケースが多かったが、期限が来ても延長、延長、延長で恒常的になっているものも少なくなかった。ガソリン税の暫定税率は、まさにその代表例。これに対して、租特が特定業界への隠れた補助金になっているのではないか、と当時野党だった民主党がかみついたわけだ。

そこでマニフェストにも租特の見直しが掲げられ、政権奪取後はその不透明な実態や政策効果を検証するための「租特透明化法」の枠組みづくりに取りかかった。だが、結果的に廃止となったのは、個別の租特約240項目のうち12項目のみとなり、恩恵を受ける企業名公表も見送られた。

では、租特にはどんなものがあるのだろう。住宅ローンに対する減税、中古自動車の免税額引き上げ、企業の研究開発費への減税、中小企業の設備投資に対する減税…。実は租特には、一般納税者や一般企業が恩恵を被っているものも少なくない。しかも中には、30年以上にわたって延長、延長となってきたものも多い。ならば“特別”ではなく、“恒常”的な制度にすべきではないか。実は租特の議論は、この点にもフォーカスされるべき話だったのだ。

租特=問題ありそう、ではなく、必要なものは残し“特別”ではなく恒常化し、それ以外の不要なものは見直す。租特の眺め方も要見直し、のようである。
(上阪 徹)


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