“利益”の考えがガラっと変わる?

「国際会計基準」という名の黒船がニッポンに襲来する!

2010.01.21 THU



写真提供/時事通信社
この号が出る前後から12月期決算企業の決算発表がスタートする。財務・経理系の仕事でないと決算書を読む機会は少ないかもしれないが、実はこの企業会計の世界に大きな変化が訪れようとしている。国際会計基準の導入だ。

会計基準とは1年間の企業経営の成果を示す決算書を作成する際のルールのこと。これまで日本の企業は独自のルールを採用してきた。しかし、現在のように経済のグローバル化が進み、海外で事業展開・資金調達をする企業が増えてくると、国ごとに決算書の様式が違う場合、M&Aを仕掛けづらくなるなど、いろいろな支障が出てくる。また、投資家が企業の業績を国際比較したうえで投資判断をすることも困難になる。このため、今では世界で110カ国以上が決算書作成の世界共通ルールである国際会計基準を採用。独自の会計ルールを採用していた米国や日本もこれを採用しようという流れになっている。日本では2010年3月期の決算から任意での導入が認められ、15~16年ごろには、国際会計基準の導入が全上場企業に義務づけられる予定だ。

では、国際会計基準が導入されると、何が変わるのだろうか。日本の会計と国際会計の一番の違いは最終利益の表し方にある。これまでの日本の会計なら「当期純利益」だったものが、国際会計では「包括利益」となる。

包括利益とは、本業の利益から法人税などを差し引いた当期純利益に、さらに企業が保有する株式の評価損益などを含めたもの。つまり企業が保有している株が下落した場合、当期純利益には反映されないが、包括利益には反映され、当期純利益に比べ包括利益は小さくなってしまう。

そのため、国際会計基準が導入されると、本業の収益を中心にした単年度業績で評価されがちな現状に比べ、企業の保有資産全体の増減で評価されるようになる。つまり、企業は本業に力を入れるだけでなく、保有するリスク資産の動向にもこれまで以上の目配りが求められるようになるのである。
(門倉貴史)


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