世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

景気回復のカギは“金持ち中国人”にアリ!?

2010.02.18 THU

経済学ドリル


【問1】09年に日本を訪れた外国人観光客の
数は前年に比べてどれぐらい減った?

A 126.1万人の減少(前年比15.1%減)
B 156.1万人の減少(前年比18.7%減)
C 206.1万人の減少(前年比24.7%減)

【解説】鳩山政権は、観光を日本の経済成長戦略の柱のひとつに掲げており、2019年の訪日外国人観光客の目標を2500万人に設定しました。訪日外国人観光客数の推移を見ると、00年代に入ってから増加傾向にあったことが分かります。しかし、先日発表された直近の09年は大幅に減少し、年間679万人にとどまりました。09年が大幅減となったのは、急激な円高によって訪日のコストが上昇したことや、世界的に新型インフルエンザが流行して海外旅行が手控えられたことが影響したとみられます。ただ、こうした要因は一時的なものですから、今後も傾向として訪日外国人観光客の数は増えていくとみられます。
中長期で外国人観光客が増加すれば、地方経済の活性化につながり、観光関連を中心に日本国内で新たな雇用が創出されるメリットもあります。一方、外国人観光客に日本のエチケットやマナーをいかに理解してもらうかといった新たな課題も出てくるでしょう。

【問2】唯一09年に訪日客数が増えた国・地域は?

A 台湾(訪日客数は102.4万人) B 韓国(訪日客数は238.2万人) C 中国(訪日客数は100.6万人)

[正解] 問1:B 問2:C


門倉貴史 かどくら・たかし 慶應義塾大学経済学部卒業後、金融機関のシンクタンクで主任研究員などを歴任。現在、BRICs経済研究所代表。専門は日米経済、BRICs経済、地下経済など。著書に『大失業時代』(祥伝社新書)、『世界不況を生き抜く新・企業戦略』(朝日新書)など多数

中国人の富裕層は年収350万円以上が目安!



政府は観光需要を喚起するため様々な規制緩和策を打ち出しています。そのひとつが、中国から日本を訪れる観光客の個人旅行解禁です。これまで中国人観光客の訪日については、不法滞在の恐れがあるなどの理由から添乗員がつく4人以上の団体客のみビザ(査証)が発行されていました。しかし、09年7月1日からは従来の基準を改めて、富裕層に限っては、団体旅行だけでなく個人旅行についてもビザを発行することにしたのです。富裕層であるかどうかは年収などで判断し、年収が日本円にして約350万円以上をビザ発行の目安にします。
この個人旅行解禁により、中国からの観光客が大幅に増加することが期待されています。実際、日本よりも早く中国人の個人旅行を解禁した韓国では中国人観光客が大幅に増加し、観光産業が恩恵を受けています。
政府は規制緩和によって年間15万人の中国人観光客の増加が見込めるとしていますが、実際には個人旅行解禁でどれぐらいの経済効果が出るのでしょうか。
香港への個人旅行解禁の例をもとに計算をしてみましょう。かつては中国人が香港を訪れるには、特別通行証明書を申請し、団体旅行の資格で参加しなければなりませんでした。しかし、中国政府は、香港と締結した経済貿易緊密化協定の一環として、03年後半から個人旅行を徐々に解禁するようになりました。この効果で1年間に香港を訪れた中国人観光客数は44.6%も増加しました。日本でも香港と同じ44.6%の増加が実現すれば、初年度に1256億円の経済効果が期待できます。中国の富裕層は、海外旅行に出かける際、高額品の買い物をするという特徴があります。日本では高額品を取り扱う百貨店などが個人旅行解禁の恩恵を受けやすく、そうした業界で働く人たちの懐も潤うと言えそうです。

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