約30年ぶりの高い伸びらしい

景気対策で借金が増える… 「財政投融資」って何のこと?

2010.02.18 THU



写真提供/時事通信社
2010年度予算案が通常国会で審議中だが、ちょっと気になる言葉が。それが「財政投融資」。昨年末、財務省から10年度の財政投融資計画が発表され、計画総額は18兆3569億円。09年度当初計画より15・7%増と、約30年ぶりの高い伸び率だという。国の歳入が落ち込む中、この「財政投融資」とは何?

簡単にいうと財政投融資とは、郵便貯金や年金積立金などの資金を、旧大蔵省資金運用部が公庫や公団などの特殊法人に融資する制度だった。この資金が、高速道路の建設や中小企業向けの事業資金などへの融資に使われた。だが、数百兆円にのぼる郵便貯金や年金が、資金運用部を通じて特殊法人に“自動的に”流入(預託)する仕組みになっており、その使い途に対するチェックが働かないという不透明さが問題化。高額な工事費などの無駄遣いや天下り役人の高額退職金受け取りなどが明るみに出た。

そこで2001年に法改正が行われ、大蔵省資金運用部は廃止。郵便貯金や年金積立金などがそのまま吸い上げられる預託の制度も廃止になった。その結果、郵便貯金などは資金を自主運用しなければならなくなったのだが、そんなに簡単に巨額の資金の運用などできるはずがない。そこで、財政投融資を債券化した「財投債」という名の国債が運用先として選ばれることに。結局、郵貯などの運用目的で財投債が買われることにより巨額の資金が国に流れ、それが特殊法人に流れ込む。つまり、本質的には以前とあまり変わっていないのだ。

以前と異なるのは、資金が見えないところで流されていくのではなく、予算を組み、計画が立てられていること。これが冒頭の「財政投融資」計画だった、というわけ。でもこれ、要するに国の借金であることには変わりはない。そしてその規模は拡大中なのだ。特に今回、お金の行き先が膨らんだのは、企業の資金繰り支援を担う政府系金融機関向け投融資だった。新政権の景気対策は、結果的に国の借金も増やしてしまっている、のである。
(上阪 徹)


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト