働くオトコの法律講座

第11回 不当解雇になるのはどんなとき?

2010.02.23 TUE

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いくら会社の経営が傾いても、従業員の雇用は最後まで守らなければなりません。整理解雇はほんとにどうしようもなくなったときの最後の手段としてしか認められません イラスト/清野とおる

会社が従業員を“適法に”解雇するのは、実はすごく難しい



大手企業が経営不振で大規模な人員削減…そんなニュースも珍しくない昨今、いつ自分もリストラ候補になるかわかったもんじゃありません。でも、法律上、会社はそうやすやすと従業員を解雇できないことになっています。解雇とは、使用者(会社)の一方的な意思表示によって、労働者の合意なく労働契約を解除することで、いわば雇われ人にとっての死刑宣告ですからね。法律事務所オーセンスの元榮太一郎弁護士のお話をもとに、以下、代表的な4つの解雇事由ごとにその適法ラインをまとめてみました。

・能力不足
解雇される者に「今後向上の機会を与えたとしても平均に達することを期待するのは困難」な場合にのみ解雇が認められる。つまりいま現在能力が足りないだけでは解雇できない。今後どんなに指導・教育を施しても、どこに配置転換しても使い物にならないことを会社が証明できなければ不当解雇となる。

・経歴詐称
学歴や職歴を偽ったり犯罪歴を隠したりしたことが発覚して解雇されるケースは意外に多く、裁判所もこれを認める傾向にある。労働契約における使用者と労働者の信頼関係は重く見られるからだ。

・職務懈怠(けたい)
遅刻や無断欠勤などを理由とした解雇は、より軽い懲戒処分(厳重注意、減給、降格など)を経たうえで、それでもなお改善されない場合にのみ有効。 ・会社の業績不振
リストラなど整理解雇を行う際は、次の4つの要件を総合的に勘案しなければならない。
[1]人員削減の必要性:ほんとに人を削らなければ会社がつぶれるのか
[2]整理解雇の回避努力義務の履行:減給や賞与カットなど解雇以前に打てる手は打ったか
[3]被解雇者選定の妥当性:誰を切るかということに対して合理的な理由があったか
[4]手続きの妥当性:きちんと解雇理由を説明し、解雇される者の納得を得たか

ちなみに、試用期間を設けた契約や内定も立派な雇用契約。上記を無視して契約解除や内定取り消しが行われれば、不当解雇になり得るそうです。現状では、会社を欺いたりとんでもないヘマをやらかさない限り一発解雇はまずない、といえるくらい従業員は手厚く守られています。これを踏まえたうえで、次回は万が一退職勧告を受けた場合の、具体的な対処法をお伝えします。 法律についての疑問や、法律が関わるような悩みがありましたら、右下の投稿ボタンから投稿ください。

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