働くオトコの法律講座

第12回 もし、不当解雇されそうになったら?

2010.03.02 TUE

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適法な解雇が困難な場合、会社は「解雇」という手段を用いずに従業員のクビを切ることもあります。理由は単純、解雇することで訴訟のリスクが発生するからです。「これは退職勧奨だ」と思ったらひとまず返事は先延ばしにしましょう イラスト/清野とおる

「解雇」と「合意解約」の違いを知っておこう



会社は余程のことがない限り従業員を解雇できない。と前回お話ししました。しかし、そうはいっても現実にクビを切られる人は大勢います。もし、あなたが不当解雇の憂き目にあったら…。

法律事務所オーセンスの元榮太一郎弁護士によれば、多くの場合、会社はいきなり解雇というカードを切らずに、まず退職勧奨を行います。たとえば個室に呼び出して「キミには辞めてもらおうと思っている。申し訳ないけど、ここにサインしてくれ」と退職合意書を渡したりして、「そうしないと解雇しなくちゃいけなくなる。それはキミも嫌だろう?」みたいに揺さぶりをかけてくるわけですね。

でも、これはあくまでも退職のお願いをしているだけで、強制力はなく、従業員側に「イエス」か「ノー」かを選ぶ権利があるそうです。仮にここで「イエス」と答えてしまうと合意解約、すなわち“あなたの意思”で辞めることになり、不当解雇の問題は生じません。会社としては解雇したくてたまらないとしても、あとあと裁判沙汰になる危険を避けるため、直接「キミを解雇する」とはいわずに、双方合意のうえでの契約解除というカタチでまとめようとするんですね。 だから、退職勧奨には即答しないこと。「考える時間がほしい」と保留し、提示された書面をコピーさせてもらうなりして持ち帰り、それを弁護士に見せて助言を仰ぐ、というのがポピュラーな対処法だそうです。では、退職勧奨の有無にかかわらず、最終的に解雇されてしまったら?

まずなにより重要なのが、解雇通知書と解雇理由証明書を交付してもらうこと。解雇された事実とその理由が明確にならないと不当解雇を訴えられません。そして、いざ不当解雇をめぐって争うにあたっての注意点は、「ポーズでいいから」復職の意思を示すこと。裁判で会社に求めるのは、解雇の撤回=労働契約の存続です。要するに「その解雇は不当だから契約はまだ生きてます。つまり今も会社には給料の支払い義務があるし、ぼくもここで働き続けたいです」と訴えるわけですね。

ただ、実際に復職するケースはまれで、結局は会社が、解雇される者に、解雇の日以降の給料+和解金を支払い、合意退職でお互い手を打つ、というのが最も多い決着パターンだそうです。なんにせよ、不当解雇をめぐる最初の、かつ最大の分岐点は退職勧奨にあり。ここで焦ってはいけないということですね。 法律についての疑問や、法律が関わるような悩みがありましたら、右下の投稿ボタンから投稿ください。

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