僕らにも長期休暇のチャンス到来!?

有休すら取りづらいけど… 「休暇分散案」のリアリティは?

2010.03.18 THU



(c)K.KANEKIYO 写真提供/メルコスール観光局
今月3日、政府の観光立国推進本部が、春と秋の大型連休を地域ごとに分散するという休暇分散の試案を提示した。この試案は全国を5つのブロックに分けて、地域ごとにずらした休日の設定をするというもの。現在、5月3日(憲法記念日)、4日(みどりの日)、5日(こどもの日)の3連休分の祝日を、Aブロックは3週目、Bブロックは4週目、というように振り分ける案も出ている。休暇の分散を行うことで行楽地の混雑を解消、旅行需要を掘り起こそうというのだが。

「でも分散を検討する前に、本当に休暇が取れるのかリアルなシミュレーションをしないと効果は不明です」とは、社団法人日本観光協会・丁野朗総合研究所長。実は、3連休の固まりを1年の中にいくつか作るという現行のハッピーマンデー制度自体、3連休と有給休暇を足して四季ごとにプチバカンスを可能にしようという発想で作られた分散化策だという。にもかかわらず、現状、僕らは…。

「日本では、2週間のバカンスを取れる人がいる一方で、有給休暇制度もない人が勤労者の3分の1もいます。先進国でこんなに休暇格差が激しい国はありません。それに、制度はあっても実際に休暇を取っている人が少なく、年間の平均宿泊日数はわずか2.4泊(平成20年度)。どんな制度を用意しても実際に休暇を取れる仕組みを作らなければ絵に書いた餅になりかねません」

欧米は日本に比べて休暇が取りやすいと聞くけど、何が違うんでしょう? 

「欧米の多くの国では従業員に有給休暇を取得させることを企業の義務と定めており、取らせないと企業が罰せられるという仕組みが主流となっています」

厚生労働省も、年次有給休暇の取得率向上を促す指針を事業主に対して広報していくという。しかし指針は事業主の義務ではない。まずは実際に休暇を取れる制度を整え、併せて分散案を検討してくれれば、“国民の生活が第一”に考えられた休日改正案になるのかもしれない。
(麻生雅人)


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