よくわかる統計マジック

第6回 世論調査ってどんな方法でやってるの?

2010.04.13 TUE

よくわかる統計マジック


昼間在宅率および固定電話保有率の低下により、どうもR25世代の意見は世論調査に反映されにくくなってるようです。そのうち「若者の世論調査離れ」とか言われたりして(笑) 図版デザイン/坂井大輔

調査対象の年代や属性が偏る可能性も…



3月29日付の日本経済新聞によると、同社とテレビ東京が3月26~28日に共同で実施した世論調査で、鳩山内閣の支持率は36%、不支持率は57%でした。この内閣支持率というのは、標本調査で得られた数字、すなわち母集団(=全国の有権者)から無作為に抽出した標本から推測したものですが、具体的にどんな手法がとられているのでしょうか。なお、なぜ日経新聞のデータを引いたかというと、ぼくがこの原稿を書いている時点で最新の典型的な世論調査であり、かつ調査方法が公表されているからで、他意はありません。

さて、日経新聞に限らず、新聞・テレビは主にRDD(ランダム・ディジット・ダイアリング)という電話法で世論調査を実施しています。これは乱数を発生させてつくった固定電話の電話番号のうち、実際に使われている番号に電話をかけ、有権者のいる世帯につながったら調査を行うというものです。日経リサーチによるとその流れは以下のとおり。

●ランダムに電話番号を抽出:1万件
 ↓非使用番号を機械的に除去
●電話をかける標本:4000件
 ↓会社の電話などは対象外
●有権者のいる世帯:1600件
 ↓調査を依頼
●回答協力標本(有効回答):900件 「約1億人いる有権者のうち、900件の標本って少なすぎない?」と思われるかもしれませんが、統計学的には、きちんと無作為抽出すれば1000前後の標本でも十分だと考えられています。。それより重要なのは「有効回答率」で、こちらは最低でも60%以上が必要といわれています。今回の日経新聞の調査では、有権者のいた世帯が1502件、回答数が954件でしたので、回答率は約65%。まずまずですね。仮に回答率が50%を切るようなら、設問か調査方法になんらかの問題があったと見るべきでしょう。

もうひとつ、よく「平日昼間の固定電話にかかってくるから調査対象は主婦か高齢者」といわれます。たしかに「緊急世論調査!」みたいな即時性を求める調査は平日にも実施されますが、支持率調査のような定期的な世論調査は土日ないし週末の3日間に行われます。ただ、平日休日問わず、やはり若者層の日中の在宅率は相対的に低く固定電話保有率も減少傾向にあるので、標本に偏りが生じていることは否めません。

このように、世論調査を見るときは、調査方法や回答率に注意しつつ、調査世帯に偏りがあることを念頭に置いて、あくまで参考にするぐらいがよさそうです。 この連載で取り上げてほしいテーマや、統計にまつわる疑問があれば、右下の投稿ボタンから投稿ください!

よくわかる統計マジックの記事一覧はこちら

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト