オトコとオンナの法律講座

第9回 夫婦は借金も共有するの?

2010.08.03 TUE

オトコとオンナの法律講座


夫婦は、生活必需品の購入にともなう債務については連帯して責任を負いますが、それ以外の買い物の場合は、購入した本人以外に代金の支払い義務は生じません イラスト/清野とおる

ギャンブルやブランド品への散財は、連帯責任にならない!?



妻が、夫の私に内緒でブランド物のバッグやアクセサリーを買い漁り、多額の借金をしていました。しかし、妻は現在失業中で支払い能力がありません。この場合、夫である私が妻の借金を肩代わりしなければならないのですか?(20代/会社員)

なんだかため息が出てしまう事案ですが、夫婦は相互に「協力および扶助の義務」を負いますから(民法752条)、借金も夫婦で共有するというのは一見妥当なようにも思われます。でも、こんなふうに勝手に散財されてはたまりません。連れ合いがつくった借金は、どこまで面倒を見なければならないのでしょうか?

弁護士ドットコムによれば、民法には「個人責任の原則」があり、夫婦のいずれか一方が借金を負ったとしても、もう一方は、保証人になっていない限り代理弁済する義務はないそうです(民法762条・夫婦別産制)。ただし、日常家事債務については、夫婦は連帯責任を負うのだとか(民法761条)。

「日常家事債務」とは、夫婦が日常生活を営むうえで必要な消費行動をするにあたって生じた債務のこと。簡単にいえば「生活必需品を買うためにした借金」のことで、一般的には以下のような事項が該当するそうです。

・夫婦が住む家の家賃や光熱費
・食料品や衣料品の購入費
・医療費、保険料、夫婦の生活レベルに見合った娯楽費
・子供の養育および教育費
・家具や家電製品などの購入費 たとえば、妻が代金後払いで食料品を買った場合、支払い日までに妻がお金を工面できなかったら、売った側は夫に対して代金を請求できるわけですね。反対に、日常家事債務にあたらないのは、

・ギャンブルによる借金
・宝石や毛皮など夫婦の生活レベルとかけ離れた高額な買い物
・美術品など趣味の範ちゅうに入る買い物

などだそうです。冒頭の一件に照らしてみても、「ブランド物のバッグやアクセサリー」は「生活必需品」でないばかりか、「生活レベルとかけ離れた高額な買い物」であるため、妻の借金は日常家事債務として認めらない可能性が高いそうです。

ちなみに、借金ではなく、夫と妻それぞれの財産に関しても、たとえば個人名義の銀行預金やクレジットカードなど所有者が明確なものは、原則として共有されないそうです(民法762条)。夫婦の生活費は共有されるけれど、それ以外の部分は、借金も財産も「夫のものは夫のもの、妻のものは妻のもの」なんですね。 あなたが経験した恋愛トラブルを法的に診断します! 下記のボタンから投稿ください。

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