オトコとオンナの法律講座

第11回 自分の都合だけで離婚できるの?

2010.08.17 TUE

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離婚には原則として夫婦の同意が必要であり、当然、どちらか一方のワガママで別れるなんてことは許されません イラスト/清野とおる

法律で定められた「離婚原因」って、どんなの?



「妻と別れて浮気相手と一緒になりたいのですが、これは離婚の理由になりますか?」

ミもフタもない相談内容ですが、弁護士ドットコム・山本尚宏さんによれば、このように浮気を“した”側が「離婚したい」と言い出して、“された”側がこれを拒んでもめるケースは非常に多いそうです。

日本の法律では、離婚は夫婦の合意を前提にしており、まずは当事者間で話し合い、話がまとまらなければ裁判所が仲介し、それでもダメなら裁判で争う、というステップを踏むことになっています。親権の所在や慰謝料の金額でもめるのではなく、一方がそもそも「離婚したくない」という場合は、合意に至るのは困難。このような場合に離婚するには離婚訴訟を起こさなければなりません。ただ、離婚訴訟で離婚が認められるには、次に挙げる離婚原因のいずれかが必要になります(民法770条)。

1. 配偶者に不貞な行為があったとき。
2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3. 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

「不貞な行為」とは浮気や不倫のことで、「悪意で遺棄」するというのは、たとえば生活費を渡さないなど、故意に相手を暮らしていけない状態に置くこと。で、1~4に当たらないものを5でカバーするわけですが、どの程度で「重大」とみなされるのか。過去の判例では、

・夫が不能になった/妻が不妊になった
・健康なのに3年以上セックスさせてくれない
・多額の借金をした
・暴力を振るわれた

などで、よくある「性格の不一致」というのは、実は理由としてはあいまいすぎて、裁判ではなかなか通用しないそうです。夫婦の合意なしに縁を切ることになる裁判離婚には、具体的かつ決定的な原因がなきゃいけないんですね。 さて、ようやく冒頭の事案ですが、ここでは「不貞な行為」という離婚原因があるにはあります。でも、その原因をつくった人(有責配偶者)の都合で離婚されては、相方としては泣きっ面にハチ。よって、有責配偶者からの離婚請求は、原則として認められません。ただし、例外的に、

・夫婦の間に未成熟な子供がいない
・夫婦が10年近く別居している

という2つの要件を満たし、かつ離婚請求された側が精神的・経済的・社会的につらい立場に置かれないと判断されれば、認められることもあるそうです。なんにせよ、いちど結んだ夫婦の契りは、そう簡単には切れません、ってことですね。 あなたが経験した恋愛トラブルを法的に診断します! 下記のボタンから投稿ください。

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