あの話題の“その後”追跡隊!

第5回 結局、「夫婦別姓」ってどうなったの?

2011.02.08 TUE

あの話題の“その後”追跡隊!


選択制夫婦別姓は世界的に導入されているものの、産まれてくる子どもの名字については、国によって様々。多くは「産まれくるつど、協議して決める」なのですが、「きょうだいは同じ名字を名乗らなければならない」という決まりがある国も。現在、民主党は前者、法務省は後者の考え方だそうです

夫婦別姓問題のその後が知りたい!



1996年、法務審議会で話し合われた民法改正がきっかけで話題となった「夫婦別姓」問題。結婚したどちらかに名字を合わせるだけでなく、別々の名字を名乗る自由を認める「選択制夫婦別姓」を導入しようという法案です。

当時、ニュースやワイドショーでたびたび話題になりましたが、最近はあまり聞かないような…。結局、「夫婦別姓」論議ってどうなったんでしょうか? 早稲田大学法学学術院の棚村政行教授、教えてください!

「自民党や公明党の一部から強い反対があり、法案は通りませんでした。その後も議員立法の形で国会に提出され続けていますが、政治と金の問題や米軍基地問題、景気対策など、他の問題が山積みで、たなざらしにされている現状です」

反対している方は、どのような意図で反対されたのでしょう?

「『家族の一体感がなくなるのではないか』と指摘しています。現在、ただでさえ希薄といわれている家族の絆が、より薄くなってしまうのでは? と、不安になっているわけですね。また夫婦別姓を選択すると、周囲からは家族関係がわかりづらくなるという声もあります」

なるほど。もし導入された場合、どんなメリットがあるのでしょうか。

「これまで慣れ親しんだ名字を結婚により変える必要がなくなります。社会的な活動をする方は、旧姓で積み上げてきた実績や評判もありますし、結婚して同姓になれば会社も名簿や名刺などを変える必要がある。そのせいか最近は、旧姓や通称で活動できる企業も多いですよね。しかし、公的な免許や不動産などは、いまだ変更に手間がかかります」 本当に「家族の一体感がなくなる」ようなことが起こると思いますか?

「個人的には思いませんね。主要な先進諸国で『選択制夫婦別姓』が認められていない国は日本だけです。海外の導入事例では、『家族の一体感がなくなった』なんて例はありません。イスラム圏は宗教上の理由で現在でも認められていませんが、インドやタイも導入しているんですよ」

日本は、アジアのなかでも少数派なのだとか。諸外国からは、どのように思われているんだろう…。

「日本は、国連の女性差別撤廃委員会から、『現行の民法では男女の平等や人権に反する』という理由で、何度も勧告を受けている状態です。1979年当時の国会で民法改正案が提出されたのも、その勧告がきっかけ。国際条約として女性差別撤廃条約を承認している日本は、この条約を守る義務があるんです。最近では、2009年にも勧告を受けており、2年以内の対応が求められています」

そのため、2011年は夫婦別姓問題になんらかの動きがある可能性が高いとのこと。「結婚なんて、まだ先の話…」なんて方も、まだ見ぬ妻のため、夫婦別姓問題について一度考えてみては? あの話題について、知りたいこと、気になることがありましたら、右下の投稿ボタンから投稿して下さい。

あの話題の“その後”追跡隊!の記事一覧はこちら

関連キーワード

注目記事ピックアップ

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト