新燃岳の噴火は他人ごとじゃない!

被害予測額は2.5兆円! もし富士山が噴火したら…

2011.03.03 THU



画像提供/ロイター/アフロ
自然の猛威を見せつけた新燃岳の噴火。108の活火山が存在する日本に住んでいる以上、他人ごとではない。現に東京都も、富士山噴火による降灰対策を地域防災計画に盛り込んでいる。だが、富士山は休火山で噴火の可能性は低いと教わった気が…。富士常葉大学で火山学を研究する嶋野岳人准教授に話を聞いた。

「今は死火山、休火山という表現は使いません。過去1万年以内に噴火した山はすべて活火山です。富士山の噴火は、約300年前の宝永噴火が最後なので、噴火しても青天の霹靂とはいえませんね」

平安時代には数十年おきに噴火した記録もある富士山。ただ、火山によっては、頻繁な噴火のあと1万年以上噴火しないケースもあり、予測は難しいとのこと。しかし、富士山のような大きな山が噴火したら大変な被害が出そうだ。

「実は山の規模と噴火の規模は比例しません。火山ごとに特徴もあり、例えば富士山は、ここ1000年ほどの経験則上、マグマの粘度が低いので火砕流が発生する回数も少なく、規模も小さい可能性が高いと考えられてます」

富士山の噴火で、もっとも被害が広範囲に及ぶのは降灰だとか。

「300年前と同様の噴火・気象条件なら、麓では3mほど、東京でも2cm以上の降灰があるでしょう。火山灰はマグマが爆発で粉々になったもの。石やガラスが主成分で、吸い込むと有害な場合が多い。また、帯電しやすいので、電力施設をはじめとして、電気を動力とする機械がショートするかもしれません。ジェット機はエンジンが灰を吸い込み飛べず、線路が滑り電車が脱線する可能性もゼロではない。道路もスリップの危険があります」

国が想定した被害額は、16日間続いた宝永噴火と同等の場合、最大で2.5兆円。阪神淡路大震災の被害額が10兆円前後とされていることを考えれば、被害の大きさは想像にあまりある。なじみのある山だけに忘れがちだが、改めて火山としての富士山の脅威に気づかされた。
(笹林司)


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