価格高騰の一方で大量廃棄

食品廃棄問題の主犯格? 「賞味期限」がなくなる日

2011.03.03 THU



図版作成/藤田としお環境省「環境・循環型社会・生物多様性白書」の「食品廃棄物の発生及び…
新興国での食糧需要拡大や農作物の不作などで国際的に食糧供給不足が危惧されるなか、日本の食品廃棄量は多いという話をよく耳にする。実際、日本はどのくらい食品を廃棄している?

「日本の食品廃棄物は年間約1900万トン。増減はありますが、ここ5年くらいはあまり変わっていません」(東京農業大学・食料環境経済学科・岩本博幸准教授)

しかも平成17年度からは53万トン増。不況のうえ食料価格が高騰するなか、廃棄は増加している!?

「食品廃棄物には野菜の芯や魚の骨、事業廃棄物なども含まれます。問題なのは食品ロスと呼ばれる食べられる部分の廃棄量です」

政府の推計では食品ロスは500万~900万トン。微減傾向とはいえ、世界の食料援助量が約600万トンであることを思えば膨大な数字だ。削減する方法はあるのだろうか?

「小売店は客離れを恐れて常に欠品がないように在庫を保とうとする傾向があり、ロスが生じやすくなります。一方、消費者は閉店時間近くの欠品をあまり気にしていないという調査結果があります。こういった業界側と消費者の認識のズレを解消するための社会的合意形成の実現を、政策で取り組んでいくのもひとつの方法です」

食品ロスが経営コストに直接跳ね返ってくる外食産業では、ロス削減への取り組みも活発だという。

「ライスの量を一律削減して、代わりに大盛りやお替わりを無料にしたら残飯が減って経費削減に成功したという事例もあります」

国も食品ロス削減に取り組んでいる。昨秋、消費者庁が賞味期限表示の撤廃を検討したのも一例だ。

「賞味期限とはおいしく食べられる期限。過ぎても安全性に問題があるとは限りませんが、消費期限と混同されやすく、食品ロスにつながるという指摘もあります」

国や企業に負けず家庭でのロスを減らすよう、僕らも今日から意識してみる?
(駒形四郎)


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