世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

原油・食料品価格はどこまで上がる?

2011.03.25 FRI

経済学ドリル


【問1】ガソリンの価格は2年前と比べてどれぐらい上昇した?

(A)14円/リットル(12.5%)の上昇
(B)25円/リットル(22.5%)の上昇
(C)36円/リットル(32.5%)の上昇
(注)東京都区部の平均。09年2月から2011年2月までの変化。

【問2】2011年4月から電気料金はいくらになるか?(標準家庭、東京電力)

(A)34円高の6285円/月 
(B)64円高の6315円/月 
(C)194円高の6445円/月
(注) 使用電力量290kWh/月の場合で、口座振替割引額、消費税等相当額を含む。

【解説】中東・北アフリカ情勢の緊迫化を背景とした原油価格高騰を受けて、石油関連製品の値上がりが目立ってきました。まず、ガソリン価格が上昇を続けています。ガソリンは1週間ごとに料金が改定されるので、原油価格の動きが小売価格にすぐに反映されるのです。また、2011年4月からは、電気料金やガス料金も値上がりすることが決定しました。4月の電気料金やガス料金に反映される燃料価格は2010年11月から2011年1月までの平均価格となっています。今回の料金改定には2月以降の原油高の影響がまだ反映されていないので、今後、さらに電気・ガス料金が値上がりする可能性もあります。
産油国の政情不安が沈静化すれば一時的な料金値上げで済み、家計への影響は軽微とみられます。しかし、産油国の原油生産の停滞が長期化し、原油価格が1バレル=100ドルを超える水準が続けば、第3次オイルショックが現実味を帯びてきます。結果、世界経済の回復シナリオ自体が大きく狂うおそれもあるでしょう。

[正解] 問1: B 問2:B


門倉貴史 かどくら・たかし 慶應義塾大学経済学部卒業後、金融機関のシンクタンクで主任研究員などを歴任。現在、BRICs経済研究所代表。専門は日米経済、BRICs経済、地下経済など。著書に『中国経済の正体』(講談社現代新書)、『ゼロ円ビジネスの罠』(光文社)など多数

反政府デモの要因は食料品価格の値上がり!?



原油価格だけでなく食料品価格も高騰しています。たとえば、小麦価格の高騰を受けて、日本の輸入小麦価格も2011年4月から18%も引き上げられます。小麦だけでなく大豆やトウモロコシ、コーヒー豆の値段も上がっています。今のところ、一部の食料品を除き、小売価格に転嫁されるまでには至っていませんが、原材料の値上がりが続けば、いずれ食料品の小売価格にも転嫁され、家計に打撃を与えることになります。
食料品価格の高騰の理由としては、短期的には(1)天候不順による不作の影響と(2)投機マネーの流入の影響が挙げられます。このうち(2)は、農産物の価格が将来上昇すると予測した投資家が市場規模の小さい商品先物市場に投機マネーを投じることで、農産物価格の上昇が加速するという現象です。さらに(3)有力新興国の台頭という中長期的な上昇圧力もあります。有力新興国において、豊かになった人たちの間で食生活の高度化が進んできているのです。中長期的には、食料に対する需要が大きく拡大することで、生産が追いつかなくなり、需要と供給のバランスがタイトになって、食料の値上がりが起こるということです。
食料品は生活必需品なので、食料品価格の高騰は低所得層の人たちの生活に大きな打撃を与えることになります。このため、低所得層の割合が高い国で食料品価格の高騰が発生すると、それが政府の政策への不満となって爆発します。エジプトやチュニジアで、反政府デモが広がるようになったのも、もともとの原因は小麦の値段が高騰して、庶民の生活が脅かされるようになったからなのです。
では、こうした食料品価格の高騰を防ぐにはどうすればいいでしょうか。食料品などの生活必需品については、政府が生産者・販売業者に補助金を出して、小売価格の上昇を抑制するという手段が有効といえます。

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