名古屋、阿久根で相次ぎ成立

なぜ地方自治体だけ? 国政に「リコール」がない理由

2011.03.25 FRI



画像提供/時事通信社
地方で市議会のリコール(解散請求)が相次いでいる。昨年12月には名古屋市、2月には阿久根市でリコールが成立。ともに市議会解散に追い込まれた。同制度では市政の甘い舵取りや市議の厚遇に、市民が直接「NO」を突きつけることもできる。同じく国政に不満をもつ人も多いはずだが内閣の解散や国会議員の解職など、国政レベルのリコールはなぜできないのか? 『日本の政治がよーくわかる本』(秀和システム)の著者で政治解説者の辻雅之氏に伺った。

「一番の要因は憲法上の制約です。国会議員の地位を定める日本国憲法にはリコール制度についての規定がなく、新たに制度を設けること自体が違憲と取られかねない。一方、地方自治体では1947年の『地方自治法』によって、リコール制度が規定されています」

憲法にリコールの規定がない理由は定かでないが、そもそも国政ではリコール制度が機能しにくい現実もあるようだ。仮に、衆議院議員選挙の有権者数を1億人、リコール本請求に必要な有権者数を3分の1とした場合、3333万人もの署名が必要になる。ちなみに冒頭の阿久根市のケースの場合、有効署名数は約6600人。地方自治体とはまるでスケールや機能が異なる国政レベルでリコールを成立させることは容易ではない。ハードルが高すぎて、制度の形骸化を招くことも予想されるという。

「ただ、国政には地方自治体をはるかに超える監視の目が集まっており、議員個人が各種の責任を問われて辞職に追い込まれたことも多い。国政レベルでは膨大な署名を集めるより、例えばブログなどのツールを使った運動で辞職に追い込む方が簡単で資金もかからないといえるかもしれませんね」

とはいえ、個人ブログで世論を巻き込むほどのムーブメントを起こすのはなかなか難しい。結局は、選挙で民意を反映させるしかないのが現状のようだ。
(榎並紀行/アイドマ・スタジオ)


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