世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

経済の復興は7月から!?

2011.04.21 THU

経済学ドリル


【問1】地震発生後3日で日経平均株価はどれだけ下落した?

(A)678円の下落(6.5%の下落)
(B)1200円の下落(11.5%の下落)
(C)1829円の下落(17.5%の下落)

【問2】東日本大震災発生後に円ドル為替レートがつけた史上最高値は?

(A)1ドル=79.65円 
(B)1ドル=76.25円 
(C)1ドル=73.45円
(注) 3月16日、ニューヨークの外国為替市場でつけた取引値。

【解説】今年3月11日に発生したマグニチュード9.0の東日本大震災は、日本の経済・社会に大きな打撃を与えましたが、株価や為替レートが乱高下するなど金融市場も混乱しました。未曾有の被害を受けて、日本企業の業績にマイナスの影響が出るとの思惑から、世界的に日本株が売られることになりました。一方、外国為替市場では、急激な円高・ドル安が進み、円は一時ドルに対して史上最高値をつけたのです。地震が日本に与えたダメージが少しずつ明らかになるにつれて、国内外の投資家のパニック的な行動、思惑的な行動はやや落ち着いてきましたが、福島第一原発事故とそれにともなう放射能漏れの問題が解決からは程遠い状況にあるため、しばらくは経済や金融市場が停滞すると予想されます。ただし7~9月期には、インフラの再構築など復興需要が盛り上がってくるとみられるので、それを反映するかたちで経済や金融市場も回復してくる可能性が高いといえます。

[正解] 問1: C 問2:B


門倉貴史 かどくら・たかし 慶應義塾大学経済学部卒業後、金融機関のシンクタンクで主任研究員などを歴任。現在、BRICs経済研究所代表。専門は日米経済、BRICs経済、地下経済など。著書に『中国経済の正体』(講談社現代新書)、『ゼロ円ビジネスの罠』(光文社)など多数

なぜ震災直後は円高が進むのか?



東日本大震災が日本の金融市場に与えたマイナスの影響は短期的には非常に大きかったといえます。たとえば震災直後の日経平均株価をみると、95年1月17日未明に発生した阪神・淡路大震災のときよりもはるかに大きな落ち込みを記録しています。
また今回の地震では、外国為替市場で円ドル為替レートが急伸し、一時は1ドル=70円台に突入、史上最高値を更新しました。
ところで、なぜ地震が発生すると円高が進むのでしょうか。地震などの大災害が起こったときに円高が進行するのは、日本の企業や個人が万が一に備えて流動性を確保しておきたいと考え、ドル建ての金融資産を売却、円に替える動きが強まると考えられるからです。とくに保険会社などは保険の支払いのために、多額のドル建て資産を売却すると思われています(実際にそうした行動をとるかどうかは最終的な保険支払いの規模によります)。
国内外の投資家は、過去の震災などを参考に、そのような日本の企業・個人の行動をあらかじめ見越して、思惑的に円買いを仕掛けてくるので、円高が加速しやすくなるのです。震災直後の円高の原因のほとんどは有利な運用先を求める投機マネーによるものです。
ただ、今後は比較的早いペースで円安が進むとみられます。その理由は、そもそもの地合いが円高ではないからです。阪神・淡路大震災のときは、日本が巨額の貿易黒字を計上するなど、災害の要因を抜きにしても円高が進みやすい環境にあり、その結果、しばらくは円高のトレンドが続きましたが、今回はそのような地合いではありません。日本の厳しい財政事情や景気の弱さを踏まえれば、円安に反転しやすい環境です。急激な円高に対しては、政府・日銀による外国為替市場への介入、国際協調による介入が現実味を帯びてきますので、そうした観点からも今後は円安が進みやすいといえます。

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